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有言実行の決勝勝ち越しアシスト! 岡山学芸館DF中尾誉は恩師のような指導者を目指す

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岡山学芸館DF中尾誉(3年)(写真協力=高校サッカー年鑑)

[1.9 選手権決勝 岡山学芸館高 3-1 東山高 国立]

 勝敗を決する勝ち越しゴールを演出した。岡山学芸館高は前半25分にオウンゴールで先制するが、前半終了間際に失点。しかし後半7分、DF中尾誉(3年)が左サイドから鮮やかなクロスで放物線を描く。「あの瞬間、絶対にいいボールを上げようと思いました」。MF木村匡吾(3年)の勝ち越しゴールをアシストしてみせた。

 前半は先制に成功したが、その後は東山にペースを握られる。中尾のマッチアップはセレッソ大阪内定MF阪田澪哉(3年、U-18日本代表)。「足下とかトラップが上手くて、スピードに乗らせたくなかった」(中尾)。それでも前半終了間際にMF真田蓮司(3年)のゴールを食らい、1-1の同点となる。そのままハーフタイムとなった。

 だが、劣勢にも岡山学芸館はひるまなかった。「ハーフタイムに誰も下を向いていなかった」。中尾自身も阪田とのマッチアップに「後半はもっとできた」と手応えを語る。徐々に攻勢を強めると、後半7分に中尾が勝負に出る。MF田口裕真(3年)のパスを左サイドに張った中尾が左足キック。「自分が上がれば数的優位になる。中に枚数が入っていたので、このへんに上げたらいいボールが行くと。しっかり匡吾が決めてくれた」。高く上がったボールをPA中央の木村がドンピシャのヘディングシュート。ゴールネットを揺らし、再び2-1と勝ち越した。

 終盤にも木村が1点を挙げ、岡山学芸館は3-1で初優勝を決めた。試合後、中尾はマイペースに「優勝できると思っていなかったので、びっくりでうれしい」と笑顔を見せる。準決勝の試合後、中尾は「アシストしたいです」と記者陣の質問に回答。そのこともあり「ああ言ったので、アシストはしたかった」と決勝への覚悟を明かした。

 高校卒業後は広島大に進学する。サッカー部には入るが、将来は指導者を志すという。自分に重ねるのは指揮官・高原良明監督の姿。「日ごろは厳しいけど、大舞台ではしっかり褒めてくれる。めちゃくちゃやる気が出ました。そういうことを僕も生徒にできたら」。最高の思い出を与えてくれた恩師のように、自分も次世代に思いを伝えていく。

(取材・文 石川祐介)
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