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[選手権]「徹底した」遊学館に苦しめられた星稜、PK戦にもつれる死闘制して32回目の出場に王手!!:石川

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星稜高がPK戦を制して決勝進出

[10.28 選手権石川県予選準決勝 遊学館高 0-0(PK2-4) 星稜高 金沢市民サッカー場]

 第102回全国高校サッカー選手権石川県予選準決勝が28日に開催され、遊学館高星稜高が対戦。拮抗した展開が続いた一戦は、0-0(PK4-2)で星稜が勝利し、4年連続32回目の出場に王手をかけた。11月5日の決勝は、鵬学園と対戦する。

 シュート本数こそ星稜が9本に対し、遊学館は0本だったが、圧倒的な内容だったわけではない。「今日は遊学館さんが良かった。負けるゲームかなと思っていた」。試合後、星稜高の河合伸幸監督が発した言葉は噓偽りのない本音だろう。

 前半5分には相手エリアの左中間でボールを受けたMF天川達心(3年)が切り返しからシュート。16分にはMF西川太陽(2年)のパスから、DF井田佳祐(3年)がミドルシュートを放つなど上々なスタートを切った星稜だが、徐々に徹底して長いボールを入れてきた遊学館に手を焼いていく。

「攻撃はハッキリしていて、徹底していた。奪われてからの切り替えも、ウチより速かった」と振り返るのは河合監督で、遊学館はMF永盛太己(1年)ら中盤の選手が素早くセカンドボールを拾って、二次攻撃を展開していく。21分には高い位置で奪ったFW宮本絆(2年)の前進から、永盛がクロス。38分にはDF野村僚(3年)のロングスローをDF中島輝羅(3年)が頭で合わせたが、得点には至らない。

 後半も状況は変わらない。「今日は蹴り合いが凄くて、本能的に戻った結果、攻撃に関われなかった。攻撃の枚数が少なく、厚みが出なくてパターンが少なく、苦しんだ」と口にするのは星稜高のMF北方陽己(2年)だ。それでも、推進力のあるMF山口晴(2年)と天川の両翼を起点にチャンスを演出。後半9分にはサイドチェンジを受けた山口のタメから、DF尾森虹太(2年)がクロスを入れ、FW竹山開(3年)がゴールを狙ったが、シュートは枠を捉えられなかった。

 前後半で決着が付かず延長戦までもつれたが、ここでも試合は動かない。「最後は凌ぐしかないという形で、PK戦も覚悟して準備していました」と話す河合監督は、延長後半に入るタイミングでPKに絶対的な自信を見せるGK佐藤竣基(3年)を入れる。読み通りPK戦に入ると、佐藤は期待に応えて、遊学館一人目のキックをストップ。対する星稜は4人のキッカーが成功させ、0-0(PK4-2)で星稜が勝利した。

 インターハイ、選手権ともに県勢最多出場を誇る星稜にとって、県の決勝は定位置と言える。だが、今年のインターハイ予選はまさかの準々決勝で敗退。「負けて悔しいのは当然ある。尚更、この選手権への想いは強くなったと思う。ここを目標にしながら、夏の合宿や大会を頑張ろうという姿勢が出た」(河合監督)。

 一体感が少なかったチームを変えるため、選手はミーティングを重ねてきた。この日こそ発揮できなかったが、アグレッシブな守備というチームスタイルも定まり、プリンスリーグ北信越1部の後期は白星が増えた。決勝に挑む準備は着実に進んでいる。「インターハイを落としているので、必ず選手権で県のタイトルを取り戻すつもりで戦いたい」。北方の意気込み通り、決勝では王者・星稜の座を奪還するつもりだ。

(取材・文 森田将義)

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森田将義
Text by 森田将義

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