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[MOM4476]国士舘GK大阪竜也(3年)_1年前は主軸CB。GK再転向の守護神が好守で強豪撃破へ導く

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国士舘高のGK大阪竜也主将(3年=FCブランコ八王子FC出身)は完封勝利に大きく貢献

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[10.29 選手権東京都Aブロック予選準々決勝 国士舘高 1-0 実践学園高 実践学園高尾G]

 1年前は主力CBとして選手権予選を戦っていた。今年は守護神として活躍。この日は実践学園高との強豪対決勝利へ導いた。

 国士舘高のGK大阪竜也主将(3年=FCブランコ八王子FC出身)は、相手の迫力のあるセットプレーやクロスに対して思い切り良く前に出てパンチング。「日頃、クロスとか(テクニカルアドバイザーの)本田先生からも言われていたので。自信を持って、ゼロという意識を持って、後ろのCBと上手くやっていました。しっかりと準備できて対応できたと思います」。そして、ファインセーブで国士舘を救った。

 立ち上がりに相手の速攻からエースFW小嵐理翔(3年)にシュートへ持ち込まれたが、好反応でストップ。後半14分にもMF松田昊輝(3年)にPAへ切れ込まれたが、至近距離からのシュートを止めて見せた。その他にも枠を捉えたシュートを確実にキャッチ。CBの経験も好守やコーチングに繋げた。

 大阪はGKとして国士舘へ進学。だが、昨春にフィールドプレーヤーへコンバートされた。「去年、一緒にCBをやっていた(先輩DFの)宮本秀と練習終わったあとに1対1をやっていて、それを本田先生がたまたま見ていて、それで『オマエ、フィールドやれ』と言われてチャレンジしました」。球際での力強い守備と正確なプレースキック。レギュラーCBとしてチームの選手権予選決勝進出に貢献した大阪だが、新チームスタートから1か月後に再びGKを務めることになった。

「2年の夏にも一回GKに戻ったことがあったので、難しかったけれどすぐに取り戻せました」。チームのためになるのであれば、どのポジションでもやる覚悟。「(GKでは)CBの処理の予測、ミスるかもしれないという予測だとか、自分がCBだったらこうしていたなというのを実際指示にして、そういうところを意識してコーチングしたりしています」という大阪は、足元の正確性も含めてGKで存在感のあるプレーをしている。

 身長176cm、体重78kg。上腕や胸の厚みは国士舘高柔道部との筋力トレーニングで養われたものなのだという。「練習終わった後に1時間とか1時間半。柔道部は(全国)3冠しているので。分からないところを教えてもらって、腕とか胸とかつきました」。1年前、決勝で敗れていることから、それ以上を目指してFWワフダーン康音(3年)らと精力的に一緒に強化。その努力が、ゴール前での力強い動きを生み出している。

 この日の試合後には、本田テクニカルダイレクターから「良かったぞ」と声を掛けられて笑顔。ただし、主将は満足していない。「今日、守備の部分はいつも以上に良かったと思いますけれども、攻撃の部分ができていなかったので、この一週間しっかりと改善して、次の試合で自分たちの持ち味を出せれば良い」。ここからの戦いでより国士舘の特長であるスピードを発揮させること。そして、自身も1年前の悔しさをぶつけ、今年は守護神として東京制覇を果たす。

精度の高いキックも武器だ

(取材・文 吉田太郎)
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吉田太郎
Text by 吉田太郎

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