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[選手権]V候補の一角、実践学園が敗退。残りシーズンを「みんなのために」最後までやり切る:東京A

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実践学園高は東京Aブロック準々決勝で涙

[10.29 選手権東京都Aブロック予選準々決勝 国士舘高 1-0 実践学園高 実践学園高尾G]

 実践学園高の内田尊久監督は試合後、「しっかりと全部、最後までやり切ろう。190人の代表として今後もやって欲しい」と選手たちに伝えたという。常々「みんなのために」と繰り返してきた指揮官は、ピッチに立った選手たちに“実践の代表選手”としての責任を改めて求めていた。

 今年の実践学園は関東高校大会予選で準優勝。関東高校大会ではインターハイ全国3位の日大藤沢高(神奈川)を破るなどBブロック優勝を果たしている。「去年のチームに比べてもそれぞれ個性、発信力のあるチームだった」(GK宮崎幹広主将、3年)というチームは、エースFW小嵐理翔(3年)や“心臓”のMF古澤友麻(3年)、宮崎をはじめ、全国大会でも十分に勝負できる戦力。今季から指揮を執る内田監督の下、自分たちでボールを保持しながら繋ぐサッカーを表現してきた。

 この日もボールを保持しながら攻めてチャンスを創出。狙いとする崩しから決定的なシーンを作り出していた。また、大型CB鈴木嘉人(3年)、10番CB山城翔也(3年)が中心となって国士舘高の縦に速い攻撃を阻止。古澤がボールを回収し、連続攻撃を繰り出していた。

 だが、前半にミスパスから守備対応の遅れを突かれ、ミドルシュートで失点。また、ボールを繋いで前進するも、相手のロングボールに押し返されるシーンが多かった。伝統的な縦に速い攻撃も交えて攻め続けたものの、最後の質を欠くなど無得点。宮崎は「自分もこの負けに納得いかないですけれども……もっともっと全国で勝ち進んで行けるようなチームではあったので、間違いなく良いチームだった。(何よりも)スタンドやベンチで応援してくれる選手たちがいる。試合に出れなかった選手たちは本当に悔いが残ると思う。申し訳ない」と唇を噛んだ。

 また、宮崎は後輩へ向けて「最近の練習に関しても、『上級生に食ってかかっていけ』と。それに引け目に感じずに取り組んできた後輩たちなので来年、僕たちを全国に連れて行ってくれると思います」とエールを送る。

 選手権への夢が潰えた選手たちはピッチ上に崩れ落ち、試合後もチームメートの応援に応えられなかった悔しさが溢れ出ていた。だが、Aチームの選手たちは「みんなのため」にこれからも全力。支えてくれた人たちへの感謝の思いを忘れず、残り4試合のリーグ戦を最後まで戦い抜く。

GK宮崎幹広主将は最後までチームメートに声を掛け続けていた

応援に応えることができず、涙

(取材・文 吉田太郎)
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吉田太郎
Text by 吉田太郎

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