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[MOM4477]丸岡MF西村心(2年)_勝負所で出番が訪れたジョーカー…1G1Aの活躍で勝利の立役者に!!

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途中出場で1G1Aを記録した丸岡高MF西村心(2年=9番)

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[10.29 選手権福井県予選準決勝 丸岡高 2-0 福井工大福井高 テクノポート福井スタジアム]

 無得点で終わった前半の嫌な流れを断ち切ったのは、今年に入って丸岡高のジョーカーとして存在感を放つMF西村心(2年)だ。武器はスピードを生かした思い切りの良い縦突破だが、得点に対する嗅覚も鋭い。後半の勝負所に備えて、準決勝でもベンチスタートとなった西村は「これが選手権の雰囲気かと思いながら試合を見ていた。得点が決まらないのは仕方ないのかなと思っていた」と前半の展開を振り返る。

 出番が訪れたのは0-0で迎えた後半7分。「入ったら自分にできることをやろうと考えていた。ドリブルで縦に、クロスやシュートを狙っていた」と振り返る西村は、ボールが自らの下に入ると積極的にゴールに迫る。最初の見せ場は24分。右サイドからのクロスがファーに流れるとDF大藤航輝(3年)が高い位置で回収。ゴール前に再び入れたクロスを西村がダイビングヘッドで合わせて、先制点を呼び込んだ。

「クロスに対して絶対怖がらない。岡崎慎司みたいな選手」。小阪康弘監督が評する通り、ゴール前に飛び込んでいけるのが西村の真骨頂。本人は先制点の場面について、こう話す。「ゴール前に突っ込めと春先から言われてきた。練習でも頭で突っ込んでいるので、怖さはない。点数を決めたい気持ちが強かった」。

 試合終了間際の39分にはMF渡辺祥気(3年)から来たボールをゴール前に入れて、MF安嶋琉生(2年)の得点をアシスト。2得点に絡んだ勝利の立役者は「選手権で活躍できて、めちゃくちゃ気持ちが良い」と笑みを浮かべる一方、クロスの質を課題として挙げた。

 坂井フェニックス丸岡ジュニアユース時代はパスが売りのボランチだったが、高校では速さを買われてサイドハーフにコンバート。「スピードを生かすプレーがチームに合っているかと思って練習から意識してきた」ことでドリブルの鋭さは増している。

 2年生になってからはAチームでの出場機会を増やしたが、インターハイ予選前からはスランプに陥った。「プレーが上手く行かなくてサッカーがあまり楽しくなかった。クロスを失敗するのにビビっていた」。だが、夏以降の状態は右肩上がり。「最近、周りから足が速くなったと言われている。自分でもドリブルのスピードが上がったと感じている。相手が抜けるようになってきて楽しい」。選手権予選が始まってからは、「やりたいことをやろうと思っている」ことが奏功し、好プレーを続ける。

 活躍の先に見据えるのは全国大会でのリベンジだ。7月のインターハイは1回戦で尚志高と対戦したが、立ち上がりの連続失点を皮切りに7失点。西村自身は試合終盤にクロスのこぼれ球を押し込んで一矢報いたが、全国の厳しさを痛感させられた。同時に試合開始からピッチに立てない悔しさも感じたという。「夏に出たチームと個人の課題を直して冬は勝ちたい。周りからスーパーサブと言われるのは嬉しいけど、最初から出て結果を残したい」。

 リベンジの舞台に立つには、決勝での勝利が不可欠。西村は準決勝に続いて再び持ち味を発揮し、得点という形でチームに貢献するつもりだ。

(取材・文 森田将義)

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ゲキサカ編集部
Text by ゲキサカ編集部

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