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[MOM4481]早稲田実FW久米遥太(3年)_文武両道の強力FW。抜群の個の力を発揮し、12年ぶり4強へ導く

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早稲田実高のFW久米遥太(3年=横河武蔵野シティU-15出身)は個の力を発揮し、東京都Aブロック準決勝進出に貢献

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[10.29 選手権東京都Aブロック予選準々決勝 早稲田実高 3-0 東京朝鮮高 実践学園高尾G]

 文武両道。進学校のエースは、東京都屈指のストライカーだ。早稲田大の付属校、早稲田実高のFW久米遥太(3年=横河武蔵野シティU-15出身)はこの日、抜群の個の力で東京朝鮮高の守りを攻略。ボールを保持される時間が多い中、前半から推進力十分のドリブルで幾度も相手を押し返していた。

「ボール入った時に何かやってくれそうなワクワク感というか、ボール入った時のプレーは見て欲しいです」という久米に対し、東京都2部リーグで対戦している東京朝鮮は人数を掛けて潰しに来ていた。

 だが、久米は相手に潰されかけても倒れずに粘り、また前進。後半、右足CKで2得点に絡むと、その後もカウンター攻撃の中心になり続けていた。単独での仕掛けでも攻め切っていたFWは、後半40分にも左サイドから一気に前へ。一度ボールを失いかけながらも奪い返し、ドリブルから右足シュートをゴールへ叩き込んだ。

 チームを12年ぶりのベスト4へ導く活躍。その久米は、「自分の強みのプレーはゴールに向かうプレーとか、ドリブルとか駆使してゴールに直結していくプレーだと思うので、得点という形でも、アシストという形でも点に絡めているのは良いかなと思います」と微笑む。

 五分五分のボールをマイボールに変え、前へ行ける際には一歩でも二歩でも前へ。「昔からゴールへ向かうプレーとかファウルされたから倒れるんじゃなくて、倒れそうでももう一個行ってというところはやってきたので、それは強みとして見ている人に伝わっているのは良いなと思います」。早実は全国出場歴がない。だが、そのエースは東京都選抜の一員として国体予選にも出場していた注目FWだ。

 中学受験で早実へ進学。横河武蔵野シティU-15時代も東京都トレセンで活動していた。高校進学時にJクラブユースチームに入る力はまだ無かったというが、将来を見据えて早実のサッカー部でプレーすることを決断。成績優秀の久米は高校進学後、学業を怠らず、筋トレにも注力してきた。また、スピードも大きな武器。「自分の目標はずっとプロになること」という久米は高校、大学でさらに力をつけ、関係者たちにアピールすることを目指している。

 今泉武信監督も「独力はありますね。将来はサイドやSBでも爆発的になると期待しています」とコメント。向上心の強い久米は「今日もそうですけれども、もっと点の取れたシーンがあったと思っているし、もっと1プレー1プレー切り取ったらミスやもう1個正確にプレーしないといけないところはあったと思うので、その一つ一つを練習で一つずつ潰していくしかないかなと思います」と一つ一つ課題を潰していく考えを口にする。

 セットプレーの守備含めて、ゴールを決める、守る力の持ち主。次の準決勝、決勝は将来のためにも大事な戦いだ。自分たちに負けたチームの思いも背負って戦い、より多くの人たちの前で早実を勝たせて自身の価値も高める。

後半40分、奪い返しから右足シュートを決めて3-0

(取材・文 吉田太郎)
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吉田太郎
Text by 吉田太郎

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