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[選手権]全国6度出場の水橋と統合、富山北部が“ライバル”富山一との決勝へ…25歳福島監督「一番勝つ可能性が高いことをしたい」:富山

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[11.3 選手権富山県予選準決勝 富山工0-1富山北部 高岡スポーツコア]

 第102回全国高校サッカー選手権富山県予選準決勝で、富山北部高が富山工高を1-0で下した。11月11日の決勝では、富山一高と対戦する。

 富山北部と富山工は今年のT1リーグ(県リーグ1部)でも対戦しているが、4月の対戦は4-1、7月の対戦は8-1と、いずれも富山北部が圧勝していた。

 ただトーナメント戦は何が起こるか分からない。富山北部の福島成監督は、T1リーグで今年勝ったことのなかった高岡一高を準々決勝で下したことを例に挙げて、「そういったことは簡単に起こりえるので、チャレンジャー精神を持って戦おう」と話して、試合に臨んでいたことを明かす。

 予想通り、リーグ戦とは異なる緊迫した展開になった。お互いに慎重になったのか、ロングボールが多くなり、なかなか決定機を作り出せない。後半になってようやく細かいパスが通りだすが、後半35分に富山北部にあったFW笠原光晟(3年)のラストパスをFW小柴誠太郎(3年)が合わせた場面も、惜しくもオフサイドだった。

 しかし最終盤にドラマは待っていた。後半アディショナルタイム1分、富山北部はMF本田海人がDFの背後に浮き球のパスを出すと、笠原が走り込む。GKのポジションを確認して冷静にループシュートを放って劇的な決勝点が決まった。

 富山北部は20年4月より水橋高校と統合。サッカー部も全国選手権6度の出場を誇る強豪校の伝統を引き継ぐことになった。3年前に同校教員に新任した福島監督のもとで強化を進めてきた。校名が変わっても、富山一は最も意識する相手。25歳の青年監督も「僕が高校生の時かずっと(選手権予選を)勝っているわけですから、そろそろ勝ちたい。水橋は決勝でトミイチとやるのが当たり前のチームだった。我々も早くそういうチームにならないといけない」と意識を十分に向ける。

 富山一とはインターハイ予選の準々決勝でも対戦したが、その時は0-1で敗戦。スコア以上の差もあったようだが、福島監督は「向こうも違うと思うけど、我々も違う」とニヤリとする。去年、一昨年といずれも延長戦で敗退していることから、今年は走力を鍛えるトレーニングにも力を入れてきたという。「映像をみて確認して、一番勝つ可能性が高いことをしたい」。チャレンジャー精神を持って難敵に挑む。

(取材・文 児玉幸洋)
●第102回全国高校サッカー選手権特集
児玉幸洋
Text by 児玉幸洋

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