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[MOM4490]今治東DF樋口智大(3年)_セットプレーから2ゴール! 3バック中央のDFリーダーは元FWの得点力で決勝進出に貢献

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今治東中等教育学校DF樋口智大(3年)

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[11.3 選手権愛媛県予選準決勝 帝京五高 1-3 今治東中等教育学校 グリーンフィールド新居浜]

 堅守を築いたディフェンスリーダーが勝利に貢献した。セットプレーから2得点を挙げたDF樋口智大(3年)だが、得点は「取れたらいいなという感じ」と試合前には狙っていなかった。それでも「うれしいです」と率直に喜びを語った。

 今治東中等教育学校は愛媛県予選準決勝で帝京五高に3-1の勝利。樋口を中心に据えた3バックで、帝京五の攻撃を封じる。後方から前線の2シャドーにパスをつけ、相手のCBを引き出しながら前進。敵陣に迫ると、前半36分に待望の先制ゴールを挙げた。

 左サイドでFKを得た今治東のキッカーはDF岡田瑛斗(2年)。右足キックを敵陣PA内に入れると、ゴール前で混戦する。そこでボールを収めたのは樋口だった。近距離に相手選手がいる中、すかさず右足で蹴り込む。「とりあえずゴールに蹴ったという感じ」。緩やかに浮いたボールはそのままゴール右隅に吸い込まれ、先制ゴールとなった。

 今治東は前半終了間際にPKを獲得し、FW大荒陽平(3年)が2点目を挙げる。2-0で後半に折り返すと、1点を取り返したい帝京五を相手に、樋口を中心とした守備陣が奮闘。そして、後半10分に再び樋口が躍動する。

 左サイド深い位置でのFKを再び岡田が蹴る。ゴール前にピンポイントで落ちたボールに合わせたのは再び樋口。「合わせるだけ」でヘディングシュートを放ち、この試合で自身2点目をマーク。味方がいる応援席まで駆け付け、ダメ押し3点目の喜びを共有した。

 勝利の立役者に対し、谷謙吾監督は「あんなに枠に入ったところは見たことない」と冗談交じりに活躍を称えた。「上級生が勝負どころで力強く結果を出してくれるので、若い子たちもフレッシュにやれるようになってきている。上級生にそういう安定感が出てきた」と目を細める。

 守備の要である樋口はもともとFWでプレー。ロングフィードやビルドアップの長所を生かすためにCBにコンバートされた。得点は9月16日のプリンスリーグ四国第12節・FC今治U-18戦以来だが、2得点はCBになってから初めてとなった。攻撃だけでなく守備でも奮闘。「空中戦も強くできて、カバーもしっかり反応できた」。今年一年を通して醸成した3バックの連係に手応えを語る。

 試合中に股関節を痛めたというが、決勝に向けて問題はない模様。試合後に応援席の仲間とともに喜びを分かち合ったときには、選手の中で誰よりも高く飛んでいた。全国まで残り一勝で、12日の決勝で済美高と対戦。樋口は「絶対勝ちたいです」と全国行きを力強く誓った。

(取材・文 石川祐介)
●第102回全国高校サッカー選手権特集
石川祐介
Text by 石川祐介

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