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[MOM4489]高知国際DF岡林智也(3年)_ 国公立大を目指す秀才が攻守で躍動! 元ウインガーの左利きCBが示したポテンシャル

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DF岡林智也

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[11.3 選手権高知県予選準決勝 高知中央高 0-2 高知国際高 春野総合運動公園球技場]

 2度の選手権出場を誇る高知西高と高知南高が統合されて誕生した新設校で異彩を放つCBがいる。それがDF岡林智也(3年=高知ユナイテッドU-15)だ。

 進学校でレギュラーのほとんどが一般受験を予定しており、岡林も国公立大を目指しているひとり。だが、勉学に励むだけではなく、サッカーでも飛躍の可能性を秘めている。

 転機になったのが高校1年次だ。中学時代は左利きのウインガーとして鳴らしたが、高校入学と同時にCBへコンバート。「攻撃が好きだったので嫌だという気持ちはありましたね」(岡林)。昨年度まで高知西で監督を務め、高知国際高にも関わっていた寺尾拓氏の打診は決して気乗りするモノではなかった。だが、「性格的に後ろのポジションがあっていると思う」という寺尾氏の狙い通り、上級生がいないチームで1年次から経験を積んで、山中丈典監督から「守備の柱」と言われるまでに成長を遂げた。178cmは全国レベルで考えればCBとして大きくないが、スピードを生かした守備と正確な左足のキックは四国でもトップクラスと言っていいだろう。

 この準決勝でも存在感を発揮。前半18分にはゴールから40m程の場所でFKを獲得すると、仲間に合わせたボールがそのままネットに吸い込まれ、チームに先制点をもたらした。その後も正確なキックで攻撃の起点となり、守備でも“自慢の足”を活かして相手のFW陣に仕事をさせなかった。

 高知国際で過ごした3年間でCBとして自信を深め、特に最終学年を迎えてからの充実ぶりは凄まじい。憧れはスペイン代表のエメリク・ラポルテ(アルナスル)。昨シーズンまでマンチェスター・シティでプレーした左利きのCBを参考にし、ボールを運ぶプレーにも磨きをかけてきた。自身でも手応えを感じており、最近では力のある大学でプレーしたいという考えも浮かぶようになったという。

「この調子でいけば、このまま大学でもサッカーを続けたいという気持ちもある。(考えていた関東の国公立大はそこまで強いわけではないので)関西の国公立で力を入れているところも視野に入れている」

 現在はCBとして活躍中だが、上のステージを目指すのであればSBとして生きていく考えを持つ。可能性をさらに広げるためにも、最後の冬に全国舞台へたどり着くことは必要不可欠。11日の決勝でも攻守で違いを見せ、チームを初の選手権出場に導いて自らの可能性をさらに広げるつもりだ。

(取材・文 松尾祐希)
●第102回全国高校サッカー選手権特集
松尾祐希
Text by 松尾祐希

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