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[選手権]目標は「常識を変える」左SB。水戸内定の日大藤沢DF尾野優日が神奈川準決勝で2得点を演出

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日大藤沢高の水戸内定左SB尾野優日(3年=横浜F・マリノスジュニアユース出身)は2得点を演出する活躍

[11.4 選手権神奈川県予選準決勝 湘南工科大附高 2-4 日大藤沢高 等々力]

「自分はSBですけれども、『ここまで上がるんだ』とか見ている人が驚くようなSBのプレーがしたいですし、良く『常識を変えたい』と色々なところで言わせてもらっているんですけれども、『今までにないSB』という形を自分が見せて、自分のクロスで、自分のドリブルで、自分のオフェンスでチームを勝たせられたらなと思っています」

 日大藤沢高の水戸内定左SB尾野優日(3年=横浜F・マリノスジュニアユース出身)は湘南工科大附高との準決勝で先発フル出場。前半9分にクロスでMF安場壮志朗(3年)の先制点をアシストし、同20分の安場の2点目もクロスをファーのFW山上大智(3年)の頭に合わせて起点となった。

 対戦相手が尾野の突破力に警戒してくる中、この日は「正直、良い意味で自分が目立たないというか。自分の他にも良い選手がたくさんいるのが日大藤沢というチームだと思っているので、仲間のお陰で助かったという試合でした」。尾野が左サイドに張ることで中央のスペースが空き、チームはそこを活用して攻撃。本人は満足していなかったが、快勝で決勝進出を決めた。

 強いプロ志向を持っていた尾野は、強豪大学からの誘いを全て断り、退路を断つ形でプロ入りを目指してきた。練習参加でオファーを得ることはできなかったものの、インターハイでチームの3位に貢献し、大会優秀選手に選出。その大会終了直後、水戸からのオファーが届き、「オファーもらった当日に決めました」。水戸が若手を大事してくれると実感。足元を見つめながら、“育成クラブ”の水戸で一つ一つ積み上げていく考えだ。

 プロで活躍するため、「常識を変える」ために、自分の武器を絶対的なモノにする。尾野は「自分が高い位置でもったら1対1のシーンだったりは自分の得意なプレーなので、自分の得意なプレーは絶対に負けないように、絶対に通用させるようにしなければいけない」と力を込める。クラブは器用さも高く評価しているようだが、特に自分の武器で違いを示すことを目指していく。

 水戸のサポーターに見て欲しいところは、「やっぱり、ドリブル突破です。狭い局面を打開する力や足元の技術、そしてあまり注目されているか分からないですけれども、自分は角度のないところから腰をひねって(クロスを)上げるのが得意。身体的な特長が自分にはあるので、そこも見て欲しい」とアピールする。

 選手権の目標は日本一だ。同じく水戸新加入が内定している桐光学園高MF齋藤俊輔(3年)が神奈川県予選準決勝で敗退。決勝で戦うことは叶わなかった。「中学校から同じチームで凄く仲が良くて、もちろん戦いたかったでですけれども、齋藤選手の分まで戦いたい」。まずは決勝での勝利に集中。来季から再びチームメートとなる仲間の分も戦い、ゴールを演出して必ず勝つ。

(取材・文 吉田太郎)
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吉田太郎
Text by 吉田太郎

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