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史上6校目の夏冬連覇へ!夏の王者・明秀日立がPK戦で東海大仰星を下し6年ぶりの16強入り

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PK戦を制した明秀日立(写真協力『高校サッカー年鑑』)

[12.31 選手権2回戦 東海大仰星 1-1(PK5-6)明秀日立 等々力]

 第102回全国高校サッカー選手権は31日、各地で2回戦を行い、等々力陸上競技場の第1試合では夏の全国高校総体(インターハイ)王者・明秀日立高(茨城)が東海大大阪仰星高(大阪)と対戦し、1-1からのPK戦を6-5で制し、6年ぶりとなるベスト16入りを決めた。来年1月2日の3回戦では近江(滋賀)と対戦する。

 立ち上がりは史上6校目となる夏冬連覇を目指す明秀日立が優勢に試合を進めていたが、東海大仰星がワンチャンスを生かして先制に成功した。前半12分、GK森本真幸(3年)からのパントキックがPA付近でバウンドし、DFが処理にもたつくと、FW小林旺誠(3年)がDF飯田朝陽(3年)との競り合いから右足でシュート。ファウルにも見えたが、主審の笛は鳴らず、無人のゴールにボールは転々と吸い込まれた。

 1点を追う明秀日立だが、FW熊崎瑛太(3年)が厳しいマークに遭い、なかなかチャンスを作れない。前半18分、MF吉田裕哉(3年)が横に落としたボールをMF大原大和(3年)が右足ミドルで狙ったが、ゴール左へ。FW益子峻輔(3年)とFW柴田健成(2年)が左右のポジションを入れ替えるなど何とか攻略の糸口を探すが、東海大仰星の堅い守りに跳ね返された。

 東海大仰星の1点リードで折り返した後半立ち上がりも明秀日立がペースを握る。後半6分、吉田の右CKからセカンドボールをDF斉藤生樹(3年)がヘディングで狙うも枠外。同11分には熊崎と柴田を下げ、FW根岸隼(3年)とMF竹花龍生(2年)をピッチに送り込んだ。

 夏の全国総体で静岡学園戦、青森山田戦ともに途中出場ながら決勝点をマークし、29日の1回戦・徳島市立戦(○2-0)も途中出場で決勝点を決めた“ジョーカー”根岸の投入で同点ゴールを目指す明秀日立。一方、粘り強い守備を続ける東海大仰星は後半22分、カウンターからFW水永直太朗主将(3年)がフィニッシュまで持ち込むが、シュートは枠を捉えられなかった。

 すると後半27分、ついに明秀日立が東海大仰星の堅守をこじ開けた。吉田の右CKに合わせたのは、失点シーンに絡んでいた飯田。打点の高いヘッドで同点ゴールを叩き込んだ。明秀日立の萬場努監督は「前半から飯田のところでミスマッチが起きていると思っていた。しつかく狙った結果、得点につながった」と指摘。狙い通りの形で1-1と試合を振り出しに戻した。

 勢いに乗る明秀日立は後半36分、吉田の絶妙なスルーパスから益子が抜け出し、決定機を迎えたが、右足のシュートはクロスバーを越え、逆転ゴールとはならず。試合は1-1のままPK戦に突入した。「インターハイの決勝でもPKをやっている。(PK戦前の)円陣でも笑顔があったし、いい試合をやったからあとは天に任せようと思っていた」と萬場監督。夏の全国総体決勝・桐光学園戦でPK戦にもつれ込む死闘を制した経験も生きたか、選手たちはリラックスできていたようだ。

 東海大仰星の4人目がクロスバーに当て、決めれば勝ちという5人目で出てきた根岸のキックは相手GKに止められたが、それ以外の6人は全員が成功。東海大仰星の7人目をGK重松陽(2年)が止め、PK6-5で勝利した。3回戦の相手は、全国総体4強の日大藤沢を破った近江。日大藤沢が相手なら全国総体準決勝の再戦だったが、プリンスリーグ関西で2位に入り、高円宮杯プレミアリーグ参入戦決勝にまで勝ち進んだ近江に対し、萬場監督は「ここまで来たら力のないチームはいない。まずしっかり分析したい」と気を引き締めた。

(取材・文 西山紘平)

●第102回全国高校サッカー選手権特集

西山紘平
Text by 西山紘平

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