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初出場・広島国際学院がPK戦で3回戦へ!! J内定3人の静岡学園が敗れる…シュート19対5圧倒も「次の点を取れなかったことが全て」

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静岡学園高がPK戦で敗退(写真協力『高校サッカー年鑑』)

[12.31 選手権2回戦 広島国際学院 1-1(PK4-3) 静岡学園 浦和駒場]

 第102回全国高校サッカー選手権は31日、2回戦を各地で行い、初出場の広島国際学院高(広島)が静岡学園高(静岡)を破った。Jリーグ内定者3人を擁する技巧派集団にシュート数で5対19と圧倒されたが、「堅忍不抜」の守備ブロックで対応し、後半9分に鮮やかなカウンターから先制点を奪取。直後に追いつかれるも最後はPK戦を4-3で制し、青森山田高(青森)との3回戦に進んだ。

 1回戦では開幕戦の国立で早稲田実高を2-0で破った広島国際学院と、明徳義塾高に6-0で完勝した静岡学園の対決。中2日の広島国際学院は初戦と同じ11人を先発に送り込んだ一方、中1日の静岡学園は先発2人を入れ替え、DF水野朔(3年)とMF宮嵜隆之介(3年)が今大会初先発を果たした。

 試合は静岡学園が一方的にボールを握り、立ち上がりから優勢に持ち込んだ。CBコンビの水野とDF大村海心(3年)がビルドアップの起点を担い、アンカー気味に構えるMF森崎澄晴(3年)を軸にしながら、MF高田優(3年/徳島内定)ら攻撃陣が自由なポジショニングでボールを前へ。5バックで守る広島国際学院を深く押し込んでいった。

 それでも静岡学園はなかなか崩し切れない。前半31分、大村の縦パスをFW神田奏真(3年/川崎F内定)がスルーし、抜け出したMF庄大空(3年)がGKをかわして狙うも、シュートに力が入らずDF岡田康誠(3年)にカバーされる。また同33分にはDF野田裕人(2年)のクロスが神田に収まり、右足ボレーで狙ったが、これもDF藤井海地(3年)のブロックに阻まれた。

 前半をスコアレスに持ち込んだ広島国際学院は後半開始時、MF戸山晴人(3年)に代わって負傷明けの10番MF石川撞真(3年)を投入。すると、この起用が的中した。

 後半8分、藤井のクリアボールをMF萩野巧也(3年)が縦に大きく蹴り出し、スピード自慢のFW野見明輝(3年)が右サイドを突破。ゴール前にグラウンダークロスを送り込むと、これを収めた石川が振り向きざまに右足を振り抜き、右ポストに当てながらゴールにねじ込んだ。

 静岡学園にとっては一方的に試合を支配しながら奪われた先制点。それでも後半15分、すぐに追いついた。中盤で前を向いた森崎が前線に浮き球パスを送り、これにMF庄大空(3年)が抜け出すと、冷静なカットインからループシュートを選択。飛び出してきたGKの頭上を美しく越えたボールがゴールマウスに転がり込んだ。

 その後は静岡学園が一方的にボールを握り、広島国際学院は防戦一方。それでも後半31分、森崎のスルーパスに神田が抜け出すも、フリーで放ったシュートは左ポストに阻まれる。直後にはMF志賀小政(3年)がドリブルで左を突破し、マイナスのパスがまたも神田に収まったが、振り向きざまのシュートは力なくGK片渕竣介(3年)にキャッチされた。

 さらに後半35分、静岡学園は右サイドを駆け上がった途中出場MF田嶋旦陽(3年)がクロスを送り、ファーサイドで志賀がボレーで合わせたが、これは広島国際学院DF茂田颯平(3年)が軌道上でブロック。広島国際学院は同アディショナルタイム4分、石川のスルーパスに野見が抜け出したが、1対1のシュートはGK中村圭佑(3年/東京V)に阻まれ、そのまま勝負の行方はPK戦に委ねられた。

 すると先攻の静岡学園は1人目で出鼻をくじかれた。10番の高田は右のコースを狙ったが、これを広島国際学院のGK片渕がファインセーブ。さらに3人目のDF井口晴斗(3年)のキックもクロスバーに弾かれた。直後、広島国際学院の藤井のキックはGK中村が防いだが、2本の失敗を取り返せず。4-3で広島国際学院が3回戦に進むことが決まった。

 試合後、優勢に運びながらもPK戦に泣いた静岡学園の川口修監督は「これが自分たちのスタイルで、1点取れたのは良かったけど、次のゴールがなかなか取れなかったということ。相手の守備も素晴らしかったし、点を取るところでちょっと足りなかった」と振り返り、「ボールを握って攻撃的なサッカーを目指しているので点を取れなかったことが全て。毎年そうですが、PKは考えていなかったので」と80分間で勝てなかったことを悔やんだ。

(取材・文 竹内達也)

●第102回全国高校サッカー選手権特集

竹内達也
Text by 竹内達也

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