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堀越が3回戦へ! 初芝橋本ペースもハーフタイムにはPK戦視野…指揮官が徹底した「選手権で勝ち上がる方法論」

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堀越高がPK戦を制す(写真協力『高校サッカー年鑑』)

[12.31 選手権2回戦 初芝橋本0-0(PK7-8)堀越 駒沢]

 第102回全国高校サッカー選手権は31日に2回戦を行った。駒沢陸上競技場の第1試合は初芝橋本高(和歌山)と堀越高(東京A)が対戦し、0-0でPK戦の末に堀越が8-7で勝利。来年1月2日の3回戦で明桜高(秋田)と対戦する。

 13大会ぶりに選手権の初戦を勝ち抜いた初芝橋本。初戦と変わらず3-4-3の布陣を敷く。GKは大竹野勇斗(3年)、3バックは左からDF三浦晴太(3年)、DF石丸晴大(3年)、DF西風勇吾(3年)。2ボランチはMF池田真優(3年)とMF大丸龍之介(3年)。左WBはMF増田晋也(3年)、右WBはDF坂本夢人(3年)。前線3人は左からFW竹内崇真(3年)、FW朝野夏輝(3年)、FW神戸賢(3年)となった。

 2年ぶりの選手権となった堀越。4-3-3の布陣で、GKは吉富柊人(3年)、4バックは左からDF瀬下琥太郎(2年)、DF渡辺冴空(2年)、DF森奏(2年)、DF竹内利樹人(2年)。アンカーにMF渡辺隼大(2年)を置き、左インサイドハーフがMF仲谷俊(2年)、右インサイドハーフがMF吉荒開仁(3年)。前線3人は左からFW伊藤蒼太(3年)、FW高谷遼太(3年)、FW中村健太(3年)を起用した。

 序盤は初芝橋本がチャンスを作り続ける。堀越も瀬下のロングスローを起点に敵陣を脅かすが、前半はスコアレスに終わった。後半は拮抗状態が続く。初芝橋本は後半8分、キャプテン石丸が負傷で途中交代。DF松岡智也(3年)が投入された。同23分には竹内を下げ、MF中島瑞尋(2年)が出場。堀越も27分に伊藤からFW小泉翔汰(2年)が入った。

 均衡が崩れないまま試合は終盤へ。初芝橋本は残り5分で3枚替え。神戸、朝野、大丸に代えてMF西川仁瑛(2年)、MF佐藤聡祐(2年)、MF建野遼太郎(1年)が出場した。

 80分間で決着はつかず、そのままPK戦に突入。先攻・堀越が決め続けると、初芝橋本も追いかける。勝敗が分かれたのは8人目。堀越はキッカー・竹内が決め、後攻・初芝橋本のキッカーを吉富が止める。そして試合終了。堀越が3回戦進出を決めた。

 初芝橋本は攻勢に出ていたが、得点を決め切れなかった。阪中義博監督は「(得点を)奪えるときに奪えなかった。堀越さんがすごく分厚く、体を張ってシュートブロックしたりクリアしたり、しっかりとできていた」と無得点に肩を落とした。

 先発メンバー11人が3年生。初芝橋本は来年に向けて再スタートを切る。「応援団として、メンバーとして、試合に出ていなかったとしても、しっかりと心に刻んでほしい。来年のために自分たちは何が必要なのか考えながら、新チームは今からがもうスタートなので。泣いている場合ではない」。先輩たちの思いを継ぐことに期待をしていた。

 堀越はスコアレスからPK戦を制した。佐藤実監督は「初芝橋本さんのゲームだった」と内容では相手に分があったことを認める。ただ、ハーフタイムからPK戦も視野に入れていた。「先に取られるとかなりきつくなる。0-0でPK戦でも吉富がいるから」と守護神を信頼し、得点より無失点に重きを置いた。

 20年度にはベスト8まで勝ち進んだ経験は大きい。佐藤監督は選手権の難しさを説く。「選手権はそんなに甘くないので。自分たちがしたいことはほぼできない。こういうゲームをいかに拾っていくかが、選手権で勝ち上がる方法論だと思う」。割り切った考え方を徹底し、2023年を笑顔で終えた。

(取材・文 石川祐介)

●第102回全国高校サッカー選手権特集
石川祐介
Text by 石川祐介

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