[1.4 選手権準々決勝 堀越 2-1 佐賀東 柏の葉]

　終盤は佐賀東の猛攻にさらされた。しかし、最後まで同点ゴールは許さなかった。史上初のベスト4進出を決めた堀越高のGK吉富柊人(3年)は「目標としていたものを達成できて良かった」と笑みをこぼした。

　前半19分にFW中村健太(3年)の豪快なミドルシュートで先制した堀越は、その後は佐賀東の攻勢を許しながらも、吉富を中心とした守備陣が身体を張ってゴールを許さず。後半25分の大ピンチもしっかりとポジションをとっていた吉富がボールを処理し、27分には一瞬の隙を突いたMF仲谷俊(2年)がネットを揺らしてリードを2点差に広げた。

　だが、同点に追い付こうとする佐賀東が圧力を強め、33分には途中出場のFW田口大翔(3年)にゴールを奪われてしまう。堀越にとって今大会初失点となったが、守護神に焦りはなかった。

「失点はしましたが、PK戦に持ち込んでも勝てる自信はあったし、不安になることはなかった。相手が後方からロングボールを入れてきましたが、ウチには森奏(2年)という競れる選手がいます。自分が出ないで森が出るとはっきりさせる部分はできたし、こぼれたボールにも反応できていた」

　36分にはクロスバー、38分には右ポストに救われる場面があった。「運もあるけど…」と語りながらも、自分たちが積み上げたものが出せたことで防げた部分もあると強調。「自分やDFがしっかりポジションをとれていたことも要因となり、そういうことが起きた」。最後まで集中を切らせることなく細かくポジショニングを変え、シュートコースを限定できたからこそ、守れた1点のリードとなった。

　2-1の勝利を収めたチームは史上初めて準決勝へと駒を進めた。「国立という舞台でベスト4を実感できるし、史上最高の堀越の成績を残せた」。充実感を漂わせつつも、まだ“旅”が終わりを迎えたわけではない。「自分たちの目標としていたものを達成できたのは良かったし、ここまで来たら優勝しかない。さらなる成績を残せるように明日からしっかり積み重ねていきたい」と視線を上へと向けた。

(取材・文　折戸岳彦)

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