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21年ぶり挑戦の金沢星稜大“4年生采配”で奮闘も終戦…MF大谷内「2点目を取る力がなかった」

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主将のMF大谷内蒼は「緊張があった」と悔やんだ

[12.7 全日本大学選手権(インカレ)1回戦 仙台大2-1金沢星稜大 ゼットエー]

 21年ぶりの“挑戦者”が、4年間の集大成を見せつけた。学校名が変更してからは初出場、21年ぶり2回目のインカレ出場となる金沢星稜大(北信越1)は1-2で競り負け、無念の初戦敗退。主将のMF大谷内蒼(4年=星稜高)は「初戦でバタバタして、普段通りのプレーが出せなかった。緊張があったと思う」と唇をかんだ。

 監督ではなく、4年生が90分間の試合を設計する。練習メニューやゲームプランは学生コーチや主将を中心とした4年生が話し合って方向性を決め、監督がアドバイスをするという体制を築く金沢星稜大。2年連続のプレーオフ敗退を経てチームは完成度を高め、念願のインカレの舞台に登場。「0-0のプランだった」という前半は同15分に先制点を許したものの、その後は仙台大の攻撃に耐え、最小失点で前半を折り返す。

 迎えた後半4分、164cmの小兵FW西原樹(4年=川崎U-18)がドリブルでPA内に進入すると、DF川口大翔(3年=青森山田高)のファウルを誘い、PKを獲得。「DFライン3枚の裏を狙って、うまく抜け出してPKをもらえた。後半早い時間に先制できたのは良かった」。自らがキッカーを務め、「入れ」と祈りを込めて右足を振り抜き、ゴール真ん中へと蹴り込んだ。

 1-1に追いついた試合展開に勝機はあったが、決定機に決め切れず、逆に仙台大に2得点目を献上してしまう。大谷内は「2点目を取る力がうちのチームにはなかった」と声を落とした。「前半に失点したけど、後半は残り15分からパワープレーで畳み掛けるゲームプランだったので問題はなかった。最後のパワープレーでチャンスメイクはできた。あとは決めるだけというところで……難しかった」。

 最後まであと1点が遠かった。試合終了間際にはDF舟橋侑輝(4年=星稜高)やDF廣田和将(4年=星稜高)、西原が立て続けにあわやというシュートを連発したが、いずれもわずかに枠を外れ、スタンドにはため息が漏れた。西原は「入らなかったのが今の自分たちの力」と悔しさをにじませ、「1~3年生には経験した分、来年頑張ってほしい」と後輩たちにエールを送った。

(取材・文 佐藤亜希子)
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