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インカレ優勝候補・流経大にチョウ・キジェ氏が合流へ…鳥栖内定MF佐藤響が語る“恩師”帯同の好影響

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MF佐藤響(4年/鳥栖内定)

[12.11 全日本大学選手権2回戦 流通経済大 2-1(延長) 新潟医療福祉大 保土ケ谷]

 流通経済大は11日の全日本大学サッカー選手権2回戦から登場し、新潟医療福祉大との延長接戦を2-1で制した。この後14日の準々決勝・国士舘大戦を前に、京都サンガF.C.のチョウ・キジェ監督がコーチとして合流するという。

 関東王者・流経大はシードで2回戦から参戦。だが、やはり初戦は難しい。新福大に前半11分に先制を許すと、その後はボールを支配すれど、同点に持ち込むことができない。

 しかし、選手たちは焦らなかった。DF宮本優太(4年=流通経済大柏高/浦和内定)は「多少の焦りはありましたけど、自分たちのことは信じてやっていたので、そこまで焦ることはなかったです」。また、MF佐藤響(4年=水戸啓明高/鳥栖内定)も「チャンスも多かったので、自分たちの中では焦りは一切なくて、続けていればいつかは入るだろうっていう感覚でいました」と試合後に明かす。

 待望の同点ゴールは後半30分。右サイドの宮本の起点から、MF仙波大志(4年=広島ユース/広島内定)を経て、佐藤がPA内でボールを収める。「自分の中で一回ゴール前で冷静になろうと」足裏でボールを止め、右足シュートをゴール右隅に突き刺した。

 一度追いつけば、後は根気よく攻め立てる。延長戦までもつれたものの、延長後半6分には宮本が逆転ゴール。流経大が120分間の接戦を制した。

 同点ゴールを決めた佐藤は「負けたら引退ですし、それくらい強い気持ちで試合に臨んでいかないといけないって思っています。出れない4年生の分まで、怪我をしてここに来れていない人もいますし、そういう人の分も頑張って、日本一を取りたいっていう思いでこの大会に臨んでいる。だから、今日はこうやって勝ててよかったです」と勝利を噛みしめた。

 勝ててよかった理由はもうひとつある。昨シーズンにコーチとしてチームに帯同したチョウ氏が、13日からチームに合流。今大会をともに戦うという。佐藤は「負けなくてよかったです」と安堵しつつ、就任から一年で京都を12年ぶりのJ1に昇格させた指揮官への思いを語る。

「(京都の)昇格が決まった試合を、トップチームの全員で観に行きました。12年間J2にいたチームを、就任から一年で上げた。チョウさんの凄さを本当に感じました」

「仲間に信頼される選手になれって言われていて、走って泥臭く戦う選手になれば、応援されるって言われていた。そういうプレーがチームに多く出た試合は勝てる。だから、それを大事にしていきたいです」

 佐藤はチョウ氏合流について「たぶん自分たちにいい言葉をかけてくれると思うので、楽しみです」と心待ちにする。「雰囲気が良くなるというか、チームの士気が上がる。そういう面では有難い存在です」と語った。

(取材・文 石川祐介)
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