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対駒大4戦全敗…“創部100周年の節目”明治大は無冠終戦「選手は全力を尽くしてくれた」

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[12.18 インカレ準決勝 明治大0-3駒澤大 NACK5]

 今季は天皇杯予選、そして前後期のリーグ戦の合計3度敗れていた駒澤大(関東2)にまたしても敗れた。栗田大輔監督も「駒澤のサッカーで点を取られ、明治のサッカーで点が取れなかったということ。駒澤さんの方がいいチームだった」と完敗を認める。創部100周年の節目を迎えていた明治大(関東3)の今季は無冠で終戦した。

 一昨年は大学タイトルを総なめ、昨年は4年生12人がJリーグに進んだ。華々しい活躍をみせた一方で、下級生はなかなかトップチームでの出場機会を掴めない現実もあった。実際に今年の4年生の多くは、4年目にしてリーグ戦初出場という選手も少なくなかった。

 そんな世代が4年生を迎えた今季は、創部100周年という大きな節目も重なった。キャプテンのDF石井優輝(4年=昌平高)を中心に一丸となって戦った今季だが、栗田監督も最初は残留争いを覚悟していたという。しかしチームは今季のリーグ戦が大混戦だったことも幸いし、常に上位を戦い続けた。優勝を掛けたラスト2戦でいずれも逆転負けを喫したことで3連覇こそ逃したが、指揮官は「選手自身は全力を尽くしてくれた」と評価を語る。

「明治はサッカー面はもちろんですが、人としてという部分を大事にしている。今年の4年生、学連幹事長の後藤を含めた15名の成長曲線はものすごいものがあった。たまたま100周年という節目に巡り合ってしまった学年で、石井もキャプテンとして重責を感じながら、ミーティングをしてもがいている姿をみていた。だから最後にインカレで楽しんでもらって、笑顔で終わらせたいと思っていたが、今日負けてしまったのは自分の力不足。ただ今年の4年生は本当に大きく成長したと思います」

 成長した4年生だが、現時点でJリーグに進むことが決まっているのはDF岡庭愁人(4年=FC東京U-18/FC東京内定)、DF加藤蓮(4年=札幌U-18/東京V内定)、MF稲見哲行(4年=矢板中央高/東京V内定)、MF杉浦文哉(4年=名古屋U-18/水戸内定)、GK青嶋佑弥(4年=浜松開誠館高/栃木内定)の5人。主将DF石井とFW藤原悠汰(4年=広島皆実高)は最後のアピールのつもりで今大会に臨んでいた。

 石井は初戦となった2回戦と3回戦で連続完封、藤原も同様に2回戦、3回戦と連続ゴールを決めて存在感を見せつけた。ただ「大事な試合というところで点が取れなかったのはまだまだ」(藤原)、「僕の中のプロになる選手の基準はチームを託さる選手。その点でも0-3という結果はまだまだ足りていない」(石井)とそれぞれ力不足も感じた様子。この悔しさは必ず次のステージで晴らす。その舞台があると信じて、吉報を待つ。
 
(取材・文 児玉幸洋)
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