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[MOM918]流通経済大MF八木滉史(4年)_堅守に苦戦も「焦れず、慌てず…」名門背負う主将がしたたかに決勝FK弾

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流通経済大MF八木滉史(4年=流通経済大柏高)

[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[12.7 インカレ1回戦 流通経済大 2-0 札幌大 第一カッターフィールド]

 優勢を保ちながらも0-0の時間が続いていた後半14分、キャプテンの一撃が戦況を変えた。

 ゴール正面からのFK。流通経済大MF八木滉史(4年=流通経済大柏高)は迷わずキッカーの位置に立った。「すごくいい位置だったので、自分が絶対に蹴ろうと思った」。相手は壁に人数をかけ、GKは向かって左のニア寄りコースを警戒してきたが、鋭く落ちるボールを空いているコースに蹴り込んだ。

「GKの立ち位置的にニアにすごい寄っていて、あまりに不自然だったのでファーに誘われているのかなと思ったけど、素直に空いているなら空いているコースに力強く自信を持って蹴ろうと思った」(八木)。絶妙な回転で壁を越えたボールは読んでいたGKの手を弾き、ゴールイン。これが試合を決める決勝点となった。

 またこの日の八木はゴールシーンだけでなく、試合全体の駆け引きでもキーマンを担っていた。相手の札幌大が5-3-2の布陣でコンパクトな守備ブロックを敷いてきた中、流経大はなかなか効果的な攻撃こそ繰り出せなかったが、八木が要所でボールに絡んでゲームコントロールを担当。大きなリスクを背負わず、落ち着いた試合運びに持ち込んだ。

「相手が固かったというか、どういうチームかわからなかったので探り探りな感じにはなったけど、まずは失点しないことと、相手陣地でボールを持つことを意識していた。前半は0-0でいいという判断だった。焦れず、慌てず、自分たちから絶対に崩れないというところを優先的に考えてチームとして戦えたと思う」。試合巧者の流経大らしいゲームプランで勝利を手繰り寄せた。

 高校時代も流通経済大柏高でキャプテンを務めた“流経の顔”と言える存在。高校時代は負傷も影響し、夏冬とも全国出場を逃す苦い経験をしたこともあり、大学最後の大会にかける思いは大きい。「流経というところに対する思い入れは個人的にすごくあるし、特別なものがある。ましてや自分も最後の大会というところで、なんとしても一つでも上に行って、優勝をみんなと分かち合えれば」。大学日本一に向け、名門を背負う主将がまずは大きな1勝をもたらした。

(取材・文 竹内達也)
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竹内達也
Text by 竹内達也

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