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流通経済大は全国初戦突破も90+2分のイエロー悔やんだU-22日本代表DF根本健太「判断しながらやっていかないと」

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流通経済大DF根本健太(3年=東京学館高)

[12.7 インカレ1回戦 流通経済大 2-0 札幌大 第一カッターフィールド]

 大学屈指のCBがようやく迎えた全国デビュー戦は、悔しさも入り混じる内容となった。インカレ初戦で札幌大に2-0で勝利した試合後、流通経済大DF根本健太(3年=東京学館高)は「50%くらいの出来だった」と厳しい表情を浮かべた。

 相手よりも頭一つも二つも高い空中戦、味方の足もとにつなぐ配球ではさすがのパフォーマンスを発揮していたが、悔いが残ったのは後半アディショナルタイム2分のワンプレー。やや引いて受けた相手FWに対し、激しくタックルに向かった根本はアフター気味に足を入れてしまい、イエローカードを提示された。

 得点につながるような場面ではなく、2-0という状況を踏まえると不用意なプレー。根本は「前に向かう意識はよかったけど、自分はプレー判断が良くないところもある。判断しながらやっていかないといけない」と課題に向き合いつつ、「累積もあるので、こういうのが重なると試合に出られなくなったり、チームに迷惑をかけることになる。あそこはいらなかった」と反省していた。

 もっとも根本にとってこれが全国大会のデビュー戦。昨年1月にはトレーニングパートナーとして日本代表の練習に参加し、パリ五輪を目指すU-22日本代表の一員として3月の欧州遠征、9月のアジア大会に出場するなど、飛躍を遂げてきたCBだが、チームを背負う重圧は確かにあった。

「全国大会はこのインカレが初めてで、楽しみでもあったし、少し緊張もあった。トーナメントは初戦が大事になってくる中、相手のFWにプロ内定している選手(FW向井ひな太=
沼津内定)がいるのも知っていたので警戒しながら、どこで自分の特徴を出せるかを考えながらプレーしていた」。こうした経験を成長につなげることが重要だ。

 9月のアジア大会では国際舞台での真剣勝負を初めて経験。「大学サッカーとは全然違った。海外で活躍している選手も集まってやらせていただいて、あっちでも自分の特徴を出せた」。その反面、代表での基準を意識するあまりか、大学に戻ってきてからは思うようなパフォーマンスが出せない時期も続いていたという。

「自分の思ったプレーがなかなかできていないというか、いつも通っているパスが通らなかったりして、悩む期間があった。でもサッカーをやっているとうまくいかないことばかりだと思うので、自分にベクトルを当ててチームに貢献できるようにと考えてきた」

 インカレという短期決戦はそうしたリズムを取り戻す絶好の機会。「夢も明確に決まっていて、日本で活躍して、海外で活躍して、A代表に入るのがまずは目標。常にそこを目指しながら満足せずにやっていきたい」という将来像に向け、まずは目の前の大会に全てを捧げていく構えだ。

「このインカレに向けてコンディションを上げようとスタッフとコミュニケーションを取りながらやってきた。初戦に勝てて次に繋げられたのが大きい。こうやってピッチに立てるのは当たり前じゃないし、流経大には260人の部員がいる中で11人しか先発で出られない責任もある。自分がいいプレーができなかったら、チームを引っ張っていけなかったらこのチームは終わるという考え方で、自分を追い込みながらうまくやっていけるようにしたい」

(取材・文 竹内達也)
●第72回全日本大学選手権(インカレ)特集
竹内達也
Text by 竹内達也

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