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ケガで始まった大学ラストイヤー「プロは無理かなと思ったけど…」九産大FWべ・ジョンミンは来季J2熊本で活躍誓う

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FWベ・ジョンミン(4年=駒大苫小牧高/熊本内定)

[12.7 インカレ1回戦 大阪学院大 1-0 九州産業大 第一カッターフィールド]

 九州屈指のストライカーの大学ラストイヤーは悔しい結果に終わった。九州産業大は7日、インカレ初戦の大阪学院大戦に0-1で敗戦。シーズン序盤を負傷で棒に振ったFWベ・ジョンミン(4年=駒大苫小牧高/熊本内定)は先発起用され、切れ味のある動きを見せていたが、ノーゴールのまま敗退となった。

「こういう難しい試合で自分が点を取れなかったのはまだまだ足りないということ。少ないチャンスでも点を決め切れるのが良いFW。これから練習でやっていくしかないので、来年からプロで通用するようにやっていくしかない」

 昨季の九州大学リーグで得点ランキング2位の実績を残したストライカーだが、ラストイヤーは不完全燃焼だった。シーズン開幕前のデンソーカップチャレンジでプレーオフ選抜の一員として得点を記録するも、右第五中足骨の骨折で長期離脱。一時はプロ入りに暗雲が立ち込めた。

 それでも気持ちの面では諦めていなかった。「調子のいい時に怪我をしてしまって、リハビリに時間もかかるし、コンディションも上がらないし、もうプロは無理かなと思ったけど、怪我をしてしまったからプロになれなかったと言い訳はしたくなかった。少しでもいいリハビリをして、プロ入りを掴むんだという気持ちで身体を作っていた」

 その結果、復帰後には昨季から動向を追っていたロアッソ熊本の練習に参加し、見事に内定を獲得。その後もなかなかコンディションが上がらず、今季はノーゴールに終わったものの、これまでの積み重ねを評価してくれた熊本でプロサッカー選手になるチャンスを得た。

 地元の韓国・済州島の西帰浦中を卒業後、親戚から紹介された北海道の駒大苫小牧高に留学してきた苦労人。日本語を学びながらサッカーの実力を高め、高校卒業後は九州の強豪大学を選んだ。「北海道に残るか、いろんな選択があったけど、広い舞台で強い相手とやっていみたいと思った。練習参加した時の強度も良かったし、チームの雰囲気も良かったし、このチームなら自分の力を発揮できると思った。九産ですごく成長できたと思う」。自ら選んだキャリアで道筋を切り拓いてきた。

 目標とするのは「スタイルは違うけど……」としながらも、韓国代表の大スターFWソン・フンミン。将来は韓国代表の舞台で戦うことを夢見ている。Jリーグで活躍することができれば、東アジア圏の選手が参加できるEAFF E-1選手権の出場機会もあるはず。まずは来季「FWなので結果で、自分のゴールでチームを勝たせたい」とJ2リーグでの活躍を誓う。

(取材・文 竹内達也)
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竹内達也
Text by 竹内達也

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