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札幌大FW向井ひな太「シュートまで行けず力不足」JFAアカデミー“黄金世代”との再会も楽しみにJの舞台へ

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FW向井ひな太(4年=JFAアカデミー福島/沼津内定)

[12.7 インカレ1回戦 流通経済大 2-0 札幌大 第一カッターフィールド]

 関東の強豪・流通経済大の最終ラインに対し、札幌大のアタッカー陣は果敢な姿勢で脅威を与えたものの、シュート0本で悔しい敗戦となった。試合後、FW向井ひな太(4年=JFAアカデミー福島/沼津内定)は「シュートまで行けなかったのがFWとしての力不足。自分一人でゴールまで行ければそれで勝てるスポーツではあると思うので、収めるだけじゃなくて突破するところが足りない」と厳しく語った。

 対戦相手の流通経済大はこの日、U-22日本代表として欧州遠征やアジア大会に出場したDF根本健太を最終ラインに擁する中、リスクを避けたトーナメント流の戦いを展開。向井は5-3-2の2トップの一角でFW小笠原大将(4年=札幌U-18)とともにサイド裏に抜け出し、うまく身体を使いながらなんとか出し抜こうと試みたが、崩し切るには至らなかった。

「2トップのところで収めて、起点になってということがチームとして共有されていたので自分の役割を果たせそうと思ってやっていた」(向井)。その働きはできているように思われたが、シュート0には悔いが残った様子。「もうちょっと時間を作らないと僕らのフォーメーション的に枚数をかけられない。流経大のDFラインのレベルが高かったなというのを感じた1試合だった」と総括した。

 向井は来季から、アスルクラロ沼津でJリーガーとしての生活をスタートさせる。沼津は「静岡県出身で中高とJFAアカデミーに入っていて、静岡県の御殿場で活動していたので、アスルクラロ沼津は生活している場所に近いクラブだったので、オファーをもらってすぐに行かせてくださいと返事をした」という縁ある土地だ。

 当時のJFAアカデミー福島は現U-20日本代表監督の船越優蔵監督が率いており、FW植中朝日(長崎→横浜FM)、DF加藤聖(同)、MF廣岡睦樹(山形→福井)の3人が高卒でプロ入り。またGK川上康平(東洋大/岡山内定)とDF石尾陸登(仙台大/仙台内定)も大学経由で内定を勝ち取り、1学年下のMF三戸舜介(新潟)もJ1で活躍しているという黄金世代にあたる。

 向井はそうした黄金世代が出来上がった理由を「練習が一番緊張感があったというか、変な言い方をすると削り合いも当たり前で(笑)。その辺の試合よりも強度も高くて、プレッシャーも早くてみたいな環境でやっていたのが大きかったと思う」と振り返る。

 Jリーグの舞台に行けば、そんな日々を過ごした彼らとの再会にも期待がかかる。「同期がすごく活躍しているのを見ると頑張らなきゃいけないなと思うし、同じステージに立ちたいと思ってやってきた」という向井は「アカデミーの同期とまたJリーグの舞台で会えるのはいいなと思うので、試合に出られるように頑張りたい」と意気込んでいる。

 そのためには日々のトレーニングから結果を追い求めていく構えだ。「まずはJ3の舞台で点を取りたいというのが自分の中ですごく大きくて、目の前の目標はそこ。選手としてはできるだけ上の機会でやりたいなというのがあるので、自分の特徴をどんどん伸ばしていきたい」。新たなステージでの活躍を誓った。

(取材・文 竹内達也)
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竹内達也
Text by 竹内達也

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