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明治大“背番号10”MF中村草太がインカレMVP! 元10番・佐藤恵允の背を追い海外も視野…最終学年でさらなる躍動へ

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明治大FW中村草太(3年=前橋育英高)

[12.24 インカレ決勝 明治大2-0京都産業大 カシマ]

 明治大の背番号10がインカレの最優秀選手に輝いた。FW中村草太(3年=前橋育英高)は1ゴール1アシストで優勝に大貢献。今夏に海外挑戦で旅立ったU-22日本代表MF佐藤恵允(ブレーメン)の10番を受け継ぎ、その実力を証明した。

 前半はスコアレスで折り返したが、中村は京都産業大の守備陣を分析していた。「CB2枚がラインを上げていた。これなら背後を取れる印象があった」。そして後半3分に一瞬の隙を突く。MF熊取谷一星(3年=浜松開誠館高)の縦パスに反応し、相手守備陣の裏からPA右に入り込む。一度切り返して相手DFをはがし、左足シュートを決め切った。

 さらに後半8分、今度はアシストで魅せた。自陣からのカウンターで熊取谷のパスを受けた中村がピッチを疾走。相手守備陣を引き付けながらPAライン上まで来ると、「選択肢は3つか4つあった」。そのなかから右横へのパスを選択。MF田中克幸(4年=帝京長岡高/札幌内定)のシュートが決まり、中村はアシストを記録した。

 今シーズン途中から背番号10を着けた。もともと着けていた佐藤が今夏にブレーメンに移籍したことで、中村がエースの責務を背負った。関東大学リーグ1部では得点王とアシスト王のダブルタイトルを受賞し、2005年から始まった12チーム制では史上初の快挙。タイトル保持者として、インカレでは結果にこだわり続けた。

 準決勝・筑波大戦で左足シュートを決め、ようやく大会初ゴール。尻上がりに調子を上げた背番号10は決勝の舞台で1ゴール1アシスト。ダブルタイトルに恥じない結果を残した。

 スタンドにはドイツから帰国した佐藤も応援に駆け付けていた。佐藤からは「おめでとう」の一言を受け取ったという。受け継いだ10番の価値を証明。中村は「安心してほしい」と佐藤への気持ちを語った。

 佐藤は明大からJリーグを経由せずにドイツに渡った。中村は「大学でも稀なルート」と自覚しながらも、明大の10番を背負う者として「自分も追っていきたい」と海外への意識をのぞかせる。だが、自身のなかではまだ壁は高いようだ。「来年が一番重要になる」と最終学年でのさらなる成長を誓った。

以下、インカレ個人賞一覧
■ベストGK
上林豪(明治大3年)

■ベストDF
井上樹(明治大4年/甲府内定)

■ベストMF
福井和樹(京都産業大4年/相模原内定)

■ベストFW
食野壮磨(京都産業大4年/東京V内定)

■最優秀選手(MVP)
中村草太(明治大3年)

(取材・文 石川祐介)

●第72回全日本大学選手権(インカレ)特集
石川祐介
Text by 石川祐介

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