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4度目の五輪で悲願のメダル…澤「銀メダルも素晴らしい成績」

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[8.9 ロンドン五輪決勝 日本1-2アメリカ ロンドン]

 悔いはなかった。自身4度目の五輪挑戦で悲願のメダルを獲得したMF澤穂希はすがすがしい表情で前を向いた。首にかけられた銀メダルをじっと見つめ、笑みが漏れる。「ずっと目指していたのは金メダルだけど、銀メダルも素晴らしい成績だったと思う」。表彰式が終わると、スタンドの母・満寿子さんの首に銀メダルをかけ、「目標だったオリンピックのメダルを母親にかけてあげられてよかった」と、万感の思いに浸った。

 17歳で初めて出場した96年のアトランタ五輪はグループリーグ敗退。00年のシドニー五輪はアジア予選で敗退した。04年のアテネ五輪はベスト8、そして08年の北京五輪が4位。一歩一歩階段を上り、ようやくたどり着いた表彰台だった。「銀メダルでも今までにない成績。意味のあることだったと思う」と胸を張った。

 1993年の代表デビューから19年。女子サッカーの歴史とともに歩んできた。「日本代表に入って、ずっとオリンピックでのメダルを目標に掲げてやってきた」。だれよりも強いメダルへの思い。ずっと追い求めてきた夢だった。

「一番輝く色の金メダルを取れなかったのは残念だけど、最高の舞台で、最高の仲間と、最高の相手と戦えてよかった。佐々木監督はじめ、たくさんのスタッフとここに立てたことに感謝したい」

 自身の集大成として位置づけていたロンドン五輪。今大会を最後に代表から引退する可能性もある。それでも、なでしこジャパンの歴史は続いていく。五輪での金メダルという新たな夢に向かい、その“バトン”は後輩たちに託される。

(取材・文 西山紘平)

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