準備はできている。11日のW杯アジア最終予選・イラク戦(埼玉)に向け、熾烈なポジション争いを繰り広げてきたDF水本裕貴(広島)とDF伊野波雅彦(神戸)。出場停止のDF今野泰幸の代役としてDF吉田麻也とCBを組むのはどちらになるか。水本が「(イラクの)映像を見て、守るイメージはある程度できつつある」と言えば、伊野波も「前回(UAE戦)は迷いもあった。持っているものを出せればと思うし、迷いなくやりたい」と力を込めた。

　8月15日のベネズエラ戦(1-1)、今月6日のUAE戦(1-0)はいずれも伊野波が前半の45分間、水本が後半の45分間プレーした。ザックジャパンでの経験は伊野波の方が長いが、ベネズエラ戦で08年2月17日の東アジア選手権・北朝鮮戦(1-1)以来、4年半ぶりの代表復帰を果たした水本も「新潟から長い期間やれたので、そこはよかった」と、徐々にチームコンセプトは体に浸透してきている。

　過去2試合のパフォーマンスを見れば、水本が立場を逆転させたという見方もできる。自身初のW杯最終予選出場へ「チャンスはあると思う」と意気込む水本は「代表はいつでも特別なものだし、試合に出れるのは素晴らしいこと。緊張感は普段と違うと思うけど、楽しめたらいいなと思う。DFがやるべきことは(失点を)ゼロに抑えること。その仕事を全うしたい」と誓っていた。

(取材・文　西山紘平)

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