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遠藤「3人マンツーは予想外」も難なく対応

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 恩師ジーコが率いるイラクとの対戦。中盤でタクトを振るったMF遠藤保仁(G大阪)は、「相手の先発メンバーは予想通り。5番と10番が出ないのは予想していた。ただ、(中盤の3人に)マンツーできたのは予想外だった」と明かした。

 遠藤によるとザックジャパンのスカウティングスタッフは、イラクの2枚看板である背番号5のナシャト・アクラムと10番のユーヌス・マフムードが来日前に行なっていた韓国遠征に帯同していなかったことで、先発しないとの予想を立てていた。

 とはいえ、平均年齢22.9歳(日本は27.3歳)という若いイラク代表選手たちの中には、国際Aマッチ初出場というメンバーもおり、ビデオでのチェックはできていなかった。しかも、「マンツーで来ないと予想していたのに、3人に3人が来ていた」と、立ち上がりは困惑もあった。

 だが、そこは百戦錬磨の遠藤。「センターバックがフリーになっていたし、試合の中で対応できた。(本田)圭佑にもベッタリついていたので、前半はバイタルをうまく使えず、それが後半の課題かなと思ったけど、(前半25分に)1点取ったことで、そこまで前に出なくても良くなった」と、危なげない試合運びを見せた。

 02年に初めて代表に呼んでくれたジーコとは、試合後に話す時間があった。

「体に気をつけて頑張れ」「若くていいチームですね」「日本はゲームをコントロールできる選手がいる。頑張って」と会話したと言い、「ジーコを意識して戦ったわけではないけど、久しぶりに会えて良かったし、何より(イラクに)勝ち点3を取れて良かった」と満足そうに言った。

 日本はこれで予選4試合で勝ち点10。「イラクとも差がついたし、他のチームより1試合多いけど、ここまでは順調だと思う。4試合で勝ち点10はほぼパーフェクト」と結果についても満足感を漂わせる。

 次は10月の欧州遠征。この日で日本代表通算121試合目となり、順調なら10月のフランス戦で井原正巳の持つ122試合という最高記録に並ぶ。「これからも足を止めずにやっていきたい」とさらに意欲をかき立てる遠藤の表情は相変わらず渋く輝いている。

(取材・文 矢内由美子)

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