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頼れる中東キラーFW前田「マークがルーズになることは分かっていた」

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[9.11 W杯アジア最終予選 日本1-0イラク 埼玉]

 まさにエースの働きだ。W杯アジア最終予選第4戦のイラク戦、日本代表はMF本田圭佑、MF遠藤保仁、MF長谷部誠に密着マークを付けられた。日本は攻撃の起点をなかなかつくることができずに、立ち上がりは苦しんだ。FW前田遼一も、思うような展開にならなかったことを認める。

「(イラクは)スカウティングしていた感じとだいぶ違いました。メンバーもだいぶ違って、戦術もだいぶ違ってガツガツ来ていたので。そういう意味では、なかなか思い通りにプレーさせてもらえなかったのが現実です」

 それでも中東の国から過去4得点を挙げているストライカーは、相手の弱点も分かっていたと話す。「必ずチャンスはくるから、慌てなくても良いかなと思っていました。マークがルーズになってくるということは分かっていたので、クロスは狙っていました」と語る。その言葉通り、前半25分にはDF駒野友一のスローインを受けたMF岡崎慎司が中央にクロスを入れると、マークを外してヘディングシュートを叩き込んだ。このゴールで、日本は3勝1分けで勝ち点を10に伸ばし、ブラジルW杯に大きく近づいた。

 今予選、ホームで行われた3試合すべてで点を取っている前田は「最高の雰囲気をサポーターのみなさんもつくってくれているので、その中で決められたことはうれしいです」と喜んだ。このゴールで代表での通算ゴールを10に伸ばしたことについては「うれしい」と前置きした上で「周りにはもっと点を取っている人もいっぱいいますし、これを通過点にしたいです」と語る。

 この試合に先立って6日に行われたキリンチャレンジ杯のUAE戦(1-0)では、FWマイク・ハーフナーが先発し、決勝点を挙げていた。最終予選でスタメン出場を続けていた前田だが、それによって危機感はあったのかと問われると「危機感は、いつもあります」と言う。

「(ハーフナーが)あの試合に出たからっていうことはないです。自分が(レギュラーに)定着したっていう気持ちも、全然ありません。試合に出てゴールを決めていることは嬉しいですが、プレーの精度はもっと上げていかないといけない。もっとレベルアップして、もっと良いプレーしたいというのが本音です」

 具体的な課題として「ボールを失う場面も多かったですし、もっとシュートも打ちたいと思います」と語った。4試合で3ゴールと、グループ首位を独走している日本を最前線から力強く引っ張っている男は「もっとチームを助けるプレーがしたい」と、選手としての更なる成長を誓った。

(取材・文 河合拓)
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