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フットサル代表に初招集のカズ「A代表と同じ気持ちで臨みたい」

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 00年12月以来、約12年ぶりに『代表招集』された。フットサル日本代表は20日、24日から愛知県で行うトレーニングキャンプに参加する16選手を発表し、横浜FCのFW三浦知良がフットサル日本代表に初招集された。この日、午前中から室内トレーニングを1時間強、屋外トレーニングを1時間こなした三浦は「サッカーのA代表と同じ気持ちで臨みたい」と、決意を語っている。

「自分がA代表でプレーしていた時、大きな誇り、責任を抱えてやっていた。そのことをもう一度思い出し、その後に経験したことも今回、出せていけたらと思う」

 カズは1月にエスポラーダ北海道の一員として、Fリーグに参戦した。その試合を見たミゲル・ロドリゴ監督が、彼の代表入りを熱望し、今回の初招集に至っている。指揮官に評価されたことを、45歳のベテランは喜んだ。

「1月の試合を見た監督が、今年のW杯の話をしてくれて『協力してほしい』と言ってくれました。最初はビックリしましたし、その日のプレーも100%満足できるプレーだったわけではありません。良い面もあったが、反省点もあった。でも、技術やサッカーのキャリアを評価してくれた。スペイン人の監督に評価してもらえたことが嬉しかったし、やってきたことが間違いじゃないと思えた」

 カズの所属する横浜FCは、現在8位。プレーオフ出場圏の6位まで勝ち点3差で、J1昇格の可能性を十分に残している。チームの副キャプテンでもあるカズは「横浜FCの一員として、J2の試合が最優先であることは当然」と言う。それでも、フットサル代表入りを決意したのは、今後のサッカー界全体のことを考えてのことだった。

「日本のサッカーが発展するために、フットサルが盛んになることは必ず必要になります。クラブもそのことを理解してくれました。報道する人が増えて、より多くの人に伝えてくれれば、フットサルを知らない人も知ってくれると思う。まだまだフットサルはやっている人は多いけど、一般的には知らない人も多い。自分がそこまで影響力があるかは分からないけれど、力になりたい」

 もちろん、代表に行くことではなく、W杯で勝つことが何よりも大事だと、再び代表の青いユニフォームを着る可能性が高まった三浦は言う。

「日本人が団体で力を合わせたときは、すごい力が出る。今回のロンドン五輪でも、個人競技より団体競技の方が成績が良かったと思いますが、日本人が本当に一つになって、協力して戦ったときのパワー。一戦一戦成長していく姿、みんなで力を合わせて、足りないところを補ってやっていく真面目さ、勤勉さ。日本はグループになったときに大きな力を発揮したと思います。そういうものをフットサル代表も出せれば、予選リーグ突破も不可能ではないと思います。なでしこもW杯で優勝したし、U-23代表もスペインに勝って盛り上がったっていうのがありましたから、それに倣って大きな力にして勝たなければいけません。対戦相手を見ると、大変なことだとは思いますけどね。でも、グループリーグを突破できれば、フットサル界の歴史も変わるかなと思います」

 これまでサッカー界で歴史を刻んできたカズ。彼がフットサルという、新たな舞台で歴史を刻む日は、間もなく来る。

(取材・文 河合拓)

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