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ミゲル監督「フルで合宿に参加できなくても、カズは必要な選手」

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 日本サッカー界をけん引してきたスター選手の力に、誰よりも惚れ込んでいる。25日に愛知合宿の2日目を迎えたフットサル日本代表は、約2時間の練習で汗を流した。前日まで首と肩の状態を気にしていたFP三浦知良(横浜FC)も、すべてのメニューをこなした。

 今回、初めて合宿に招集したFP森岡薫と三浦に対し、ミゲル・ロドリゴ監督は前日の夜もビデオを見せて、戦術の浸透を図った。「チームのコンセプトが分かってもらえるように、スペインリーグのビデオを編集したものを見せました。セットプレーなどの約束事を詳しく解説したものです。また、プレス回避の方法、CK、キックイン、FKをまとめたビデオも渡そうと思っています」。

 三浦自身は「3-1だけじゃなく、4-0とか、2-2とか…いろいろなフォーメーションがあるみたいで、セットプレーもCKだけで10パターン以上あって、なかなか覚えきれませんよね。帰りの新幹線で見て勉強します」と語ったが、ミゲル監督は「彼の技術があれば大丈夫だと思います」と断言した。

 三浦の所属する横浜FCは、25日がオフだった。24日に横浜FCの練習をこなした後、三浦はフットサル日本代表に参加している。しかし、明日26日には横浜FCが練習を行うため、三浦はフットサル日本代表を離れて、チームに戻ることとなった。サッカー選手が、フットサルW杯に挑戦する。それだけでも異例なことであるが、その選手が合宿に全日程参加できないことは、フットサル日本代表にとって大きなデメリットだ。

 それでもミゲル監督は「そういう環境にある人、そういう状況の人だと分かった上で来てもらっている」と、絶対の信頼を口にし「普通な状況ではないので、特別な状況だと思いますが、大事な選手なので受け入れました。そのことを受け入れながらも、フットサルに早く馴染んでもらえるかは、自分にとってもチャレンジです。ふんだんにある情報を、どれだけ全力を尽くして素早く吸収できるか。これは、お互いのコラボレーションになる挑戦だと思います。彼も新しいことを学び、フットサルも大きなメリットを受けて、チームも良くなる。みんなウィン、ウィン、ウィンになればいい」と、理想を語った。

 今後、フットサル日本代表は10月上旬にも3日間のトレーニングキャンプを予定している。だが、現時点ではその合宿も三浦は1日半の参加になる見込みだという。W杯へ向けて再始動したフットサル日本代表は、非常に良い雰囲気で練習を行った。だが、本大会が近づき、14人の枠を賭けた争いが激しくなった際に、はたして同じ雰囲気を保つことが、できるだろうか。

(取材・文 河合拓)

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