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練習に復帰したFP仁部屋「コンディションを上げないと」

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 状態は、予想よりも悪いのかもしれない。体調不良のために、25日の午後練習を回避したFP仁部屋和弘(バサジィ大分)は、合宿最終日の26日、チームの練習をすべてこなした。しかし、その動きはどこか重く、持ち前の伸びやかなドリブルもほとんど見られなかった。チームの戦術を確認する大事な機会であると同時に、14名の最終メンバーに残るアピールの機会でもある。AFCフットサル選手権で優勝したが「個人的には何もできずに、悔しさが残った」と話していた仁部屋は、アピールが必要なことが分かっていたが、体が動かないと唇を噛んだ。

「もう体調が悪すぎますね。名古屋戦(17日)の後からずっと体調が悪くて、家で寝込んでいたんです。浦安戦(23日)のときもコンディションが上がらなくて。予防接種の注射を4本打ってから、また体調が悪くなったんですよね」

 その能力には、疑いの余地はない。ミゲル・ロドリゴ監督も「日本代表で絶対的な存在になれる」と、高く評価する。しかし、FP森岡薫、FP三浦知良が加わったチームの中での立ち位置は、厳しいところにいる。自身にもその自覚があるだけに、焦りを隠せない。

「何でこのタイミングなんだろうっていうのはありますし、苦しい立場ですけど、まずは治さないと始まらない。コンディションが悪すぎるので。もともと体が弱いというか、すぐに風邪をひいたりするタイプではあったんですけど、ここまで苦しいのはなかなかないので」

 コンディションが上がらないが、休んでいられない状況でもある。29日にはホームでリーグ戦の北海道戦があり、1日からは再び日本代表合宿が行われる。すでに「今回のメンバーとあと数人でW杯を戦う」と明言しているミゲル監督が、仁部屋を招集することは間違いない。

「今日、できるだけ早く大分に帰って、病院で見てもらいます。とにかく自分のコンディションを戻さないと、何も始まらない。本当に苦しいです」と、悲壮な決意を語り、バスに乗り込んだ。

(取材・文 河合拓)

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