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セリエAでJリーグで大流行の3バック、長友は「ザック式3バック」を歓迎

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 ザッケローニ監督秘蔵の「3バック」がイタリアや日本で“ブーム”となっている今季。セリエAでは昨季優勝チームのユベントスや、躍進を遂げたナポリが採用していたことで、今季は半分近いチームが3バックシステムを導入している。

 日本でもJ1首位の広島、3位の浦和、そして、バルセロナから多分に影響を受けていると思われるJ2のチームも3バックを採用している。

 DF長友佑都が所属するインテルも、9月下旬に3バックへフォーメーションを変更してから3連勝を飾るなど、安定性がアップした。7日のミラノ・ダービーも1-0で制したことで、さらに上昇気流に乗っていきそうな様相だ。

 そんな中、フランスで合宿を張っている日本代表が「久しぶりに」(長友)3バックでの練習を再開した。12日に行われるフランス戦では、ザッケローニ監督の伝家の宝刀である3バックが見られる可能性が高そうだ。

 そこでキーマンとなるのが長友だ。彼自身も「3バックでは中盤のサイドの選手が攻守で重要な役割を占める。そういう部分で、今回試してみたい気持ちがある」と、強い意欲を見せている。

 理由としては、ザックジャパンで3バックを試した試合では、まださほどの手応えを得られていないという事実がある。ブラジルW杯へ向けて、より良い成績を出していくためには個人としてはもちろん、チームとしてのレベルアップが不可欠。3バックをものにすることができれば、確実な成長となるというわけだ。

 加えて、ザックジャパンが目指す3バックは、5バックになりがちな従来のやり方とは一線を画しており、より攻撃的なスタイルを世界に示すことにつながる。

 長友は言う。

「セリエAでも3バックは流行っているけど、5バック気味になっているチームが多い。でも(ザッケローニ)監督はそれを望んでいない。なるべく“5”の状態にしたくないと言っている。3バックの利点はサイドで数的優位を作れること。ボールが同じサイドにあるときは、後ろは気にするなと言われている」

 セリエAでプレーするようになって3シーズン目の長友は、世界トップクラスの選手たちと戦う日々を過ごしてきたことで、フランスやブラジルという強豪相手でも「岡田さん(武史前監督)のときにオランダとやったときのようなドキドキ感はない。そこまで高ぶるということはないですね」とさらりと言う。

 心技体とも成長を実感している今だからこそ実現したいのが、“ザックの3バックの早期完成”。それは自身とチームをさらに押し上げてくれるものなのである。

(取材・文 矢内由美子)

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