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2年後の成功を信じるザック、「ブラジルやスペインとも対等に渡り合える」

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[10.16 国際親善試合 日本0-4ブラジル ブロツワフ]

 ブラジルに完敗しても、自信は揺るがない。アルベルト・ザッケローニ監督はブラジルに対し「現時点では別次元のチームだ。冷静に分析すれば、我々はまだブラジルのレベルにない」と完敗を認めながらも、「このチームには大きな伸びしろがある」と、チームの今後の成長に確信を強めた。

「このチームのスタート地点のポジションは分かっているし、到達地点もある程度分かっている。そこに向けて現状、どこにいるのかを確認したい」。試合前日の公式会見でそう語っていた指揮官は、0-4で敗れた試合を終えても「到達点を変更するつもりはないし、そこに到達できるという大きな自信も持っている」と言い切った。

「2年後のW杯優勝を大々的に宣言できるかと言えば、そうではないし、2年後にトップレベルに食い込んでいるかと聞かれても、そう言い切れないところはある。ただ、私の考えているとおりに事が進み、W杯にいい状態で臨むことができれば、ブラジルやスペインといった強豪とも対等に渡り合えることができると思う」

 ザッケローニ監督が評価したのは、日本がブラジル相手にも臆することなく自分たちのサッカーを展開していったことだ。「今日の試合を通じて良かったのは、90分間を通してあきらめずに戦う姿勢を見せたこと。流れによってはもっと失点していたかもしれない中で、勇気を持って前に仕掛けていったことについては評価していいと思う」。早い時間の2失点でプランは崩れ、選手の焦りも呼んだ。しかし、それも反応としては悪くなかったと指揮官は言う。

「選手も負けたくないという気持ちが非常に強いので、それで冷静さを失って本能的なプレーが出てしまったのではないかと思う。このチームはあきらめない気持ちが強いと思った」。必要なのは、こうした強豪国との実戦だ。「(ブラジルとの)ギャップを縮めるために、今後もこうした強豪との試合をどんどん組んでいきたい。国際レベルの戦いをすることは大事だし、今日の試合でも、もっと違ったボールの持ち方やプレーの展開の仕方もあった。そういうところの分析、修正はしていくべきだと思う」。来年6月にはコンフェデレーション杯を控え、W杯アジア最終予選が終われば、来年秋には再び欧州遠征も計画している。結果に一喜一憂することなく、一歩一歩、世界との差を詰めていくしかない。

(取材・文 西山紘平)

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