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5/31A代表練習後の選手コメント

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 ブルガリア戦(0-2)から一夜明けた31日午前、日本代表は愛知県内で練習を行った。ブルガリア戦に45分以上出場した選手はクールダウン中心の軽めの調整。後半途中から出場したMF中村憲剛、MF細貝萌のほか、出番のなかったFW工藤壮人、FW東慶悟、MF高橋秀人、DF伊野波雅彦のフィールド6選手は3対3のミニゲームなどで汗を流した。

●FW工藤壮人(柏)
―どこをアピールしていきたい?
「自分は身長もスピードもあるわけではない。一番評価されているのはゴールを取るところだと思う。昨日も得点ゼロに終わっているし、ゴールを取っていくというのは練習からしっかり意識して、ゴールという形でアピールしたい」
―代表に対する意識は変わった?
「選ばれる前までW杯は意識していなかった。こういう雰囲気を味わって、トップレベルの練習に参加させてもらって、W杯にも出たいという気持ちが少し芽生えた。まだまだ遠いところにあるけど、そこを目標にして、しっかりアピールしていきたい」
―ベンチからブルガリア戦を見て何を感じた?
「攻撃陣は素晴らしい選手ばかりだし、ロッカールームの様子からも無得点に終わった悔しさを感じた。僕がどうこうできるわけではないけど、試合に出たときにゴールを決められるように準備するだけだし、今日の練習でもゴールへの意欲を持って、しっかりトレーニングできたと思う」
―初めてA代表の練習に参加したが?
「自分のチームとは雰囲気も違うし、一人ひとりがクラブを代表してここに来ているんだというのを感じた。そういう中で少しはゴールへの意欲をアピールできたと思う」
―6月4日にはW杯出場をかけたオーストラリア戦があるが?
「出場機会があるとは考えづらいけど、もしも与えられたときのためにしっかり準備したい。W杯出場を決めるタイミングで参加できる喜びを感じながらプレーしたい」

●FW香川真司(マンチェスター・U)
「もっと個人の判断でやっていかないといけない。3-4-3ならボランチの前への推進力やサポート、押し上げが必要。そこは物足りなかったし、次に向けて修正しないといけない。前の3人しかいないと苦しいし、ボランチやサイドの押し上げが必要だと思う」

●MF遠藤保仁(G大阪)
―オーストラリアのビデオは見た?
「見てないですね。でも、イメージはあります。何度もやっているのと変わらないと思う」
―3月のオーストラリア対オマーンの試合はヨルダンで見た?
「ちょっとだけ見ました。今まで何回もやっているけど、いつも同じような感じだし、監督も代わっていないので。実際にやってみないと分からないけど、戦い方を大きく変えてくることはないと思う」
―本田らの合流が直前になるが?
「特に不安はない。コンディションは今いるメンバーの方がいいと思うけど、ずっと一緒にやっているので」
―予選突破へオーストラリアはあとがない状況だが?
「今まで以上に厳しいゲームになると思う。経験のある選手も多いし、勝った試合にしても、ほとんど僅差。自分たちがいいコンディションで臨まないと難しい試合になる。苦手意識は個人的には持っていない。どの試合も主導権を握れているので、次の試合も極力相手を押し込めるような形にできれば、相手の脅威になると思うし、そういう形に持っていければチャンスが増えていくと思う」
―昨日の試合を振り返って、オーストラリア戦にどう生かせるか?
「昨日は多少、最初は押し込まれたけど、失点は極力しないようにやっていた。オーストラリア戦も、相手が前からプレッシャーに来るのであれば、裏のスペースに蹴るのも一つの手だし、自分たちが最初から押し込めるようになればいいと思う」
―今朝の報道では、大事な試合の前に3-4-3をやるのはどうなんだという論調も多かったが?
「3-4-3にチャレンジするのであれば昨日しかない。オーストラリア戦で決められれば問題ない。コンフェデでいきなり使うというのは監督は思ってないだろうし、やるなら昨日だった。個人的には戸惑いはなかった。やるなら今かなと思っていた」
―3-4-3の手応えは?
「昨日もセットプレー2つ以外は、前半に危ないミドルシュートもあったけど、それ以外はほとんど危ないビッグチャンスを与えていないので、守備の悪い部分がたくさん出たということはない。結構いい相手だったので、自分たちにとってはオーストラリア戦に向けていい試合ができたのではないかと思う」
―オーストラリア戦まで残り4日だが?
「1試合1試合、いいときもあれば悪いときもある。僕は心配していない。昨日負けたので、しっかり気を引き締めていかないといけないと思う。いつもどおりやるだけですよ。ここから劇的に戦術が良くなったり、技術が上がるわけではない。いつもどおりやって、自信を持って臨めばいい。残りの時間でもう一回みんなで意思統一してやりたい」
―11年のアジア杯のときは初戦のあとに選手だけのミーティングをやったが、今回は?
「あの大会にはふわっと入ってしまった。気持ち的にどこか緩みがあるように見えたので。でも今回に関してはものすごく大事な試合であることはだれが見ても分かること。みんなが高い意識でトレーニングに励んでいるし、そこまでする必要はないと思うけど、気が緩んでいる選手がいれば、もちろん引き締めなければいけない。でも、見ている限りそういう選手はいないので」

●MF長谷部誠(ボルフスブルク)
―チームの雰囲気は?
「負けたので良くはないですね。今日は移動もあるし、明日から切り替えてやっていきたい。昨日の負けを忘れるわけじゃないけど、切り替えてやっていきたい」
―昨日のオウンゴールについてチームメイトからいじられたりはあった?
「そういう雰囲気でもないですね(苦笑)。セットプレーの失点が続いているけど、自分たちのミスだし、ナーバスになりすぎるのもよくない。セットプレーを与えないようにするとか、いろんな改善点がある」
―試合後に選手同士で話したりは?
「食事のときにしゃべったりはした。どういうところがよくなかったかとかですね。みんな頭で考え過ぎてしまうところがある。オプションにするには、3-4-3でも体が自然と動くぐらい実戦で続けてやらないといけない。少しずつだけどよくなっていると思うし、ここで止めないで、続けていった方がいいと思う」
―前半、DFラインに何か要求していたが?
「サイドチェンジのパスにスピードがないと相手の陣形が整う。ブルガリアは前線から守備をしていたし、緩いパスで横に入れると、陣形が整うので、そこは速いパスでサイドを変えてほしいと伝えた」

●DF長友佑都(インテル)
「昨日の試合で僕もチームもすべてのパフォーマンスに対して失望した。今の状況で世界と戦うのは難しいと感じた。厳しさも、ハングリーさも、勝利への貪欲さもなかった。どれだけの選手が世界のトップになりたいと真剣に考えているか。考え直さないと本当の成長はない。内容も大事だけど、勝たないといけない。日の丸を付けて、代表の看板を背負っているし、子供たちも見ている。申し訳ないし、恥ずかしいし、情けない。W杯まで1年しかない。どれだけの選手が本気になっているか。僕も含めて、このままだと手遅れになるかもしれない」
―去年の欧州遠征では世界との差も見えてきたと話していたが?
「あのときは世界へのモチベーションが高かった。あのときの気持ちを僕も含めて忘れかけている。今、コンフェデに出ても、このチームなら全敗する。日本はまだ世界の仲間入りを果たしていない」

●DF吉田麻也(サウサンプトン)
―オーストラリア戦は引き分け以上でW杯出場が決まるが?
「勝ち点1で決めるというより、必ず勝って決めるという気持ちで臨むべきだと思う」
―セットプレーの失点が続いているが、守備陣で話し合ったりは?
「セットプレーは話し合って改善するものでもない。一人ひとりの意識だと思う。オーストラリアも日本がセットプレーで失点を重ねているのは知っているはずだし、狙ってくると思う。無駄なファウルはせず、それでも与えてしまったら、そこは意識の問題。しっかり付いてやらせないことが大事」

(取材・文 西山紘平、矢内由美子)
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