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無失点での勝利を喜ぶ今野「信念があるから、勝ち切れた」

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[6.11 W杯アジア最終予選 イラク0-1日本 ドーハ]

 試合前に35度を越えた酷暑は、選手たちに大きなダメージを与えた。「始まってすぐ、めっちゃノドが渇いて…。結構、チームもミスが多くて」と、DF今野泰幸は振り返る。さらに、引き分け以下の結果ではW杯への道が断たれるイラクも、アグレッシブな試合運びを見せてきた。「相手も結構、迫力あるプレスだったり、結構来ていたので、苦しかったですね。厳しい試合になりました」(今野)。そんな厳しい試合を1-0でモノにし、勝ち点を17まで伸ばして最終予選を終えた。

 前半、風下に立った日本は、相手の速攻に苦しめられた。なかなか前線でボールを奪えずに、イラクにゴールへ迫られる。それでも、最後の局面では今野とDF伊野波雅彦が、しっかりとブロックし、得点を許さなかった。この日の最終ラインは、右SBにDF酒井宏樹、CBに今野と伊野波、左にDF長友佑都が入った。「あんまりやったことがないメンバー」と、今野は言うが、それでも良い連係を見せ、相手を完封できたことに手応えを感じている。

「あんまりやったことがないメンバーですけど。チームとしてのやり方がはっきりしているから、やりやすさは感じました。お互いに試合中に声を掛け合いながら、チャレンジ&カバーを徹底しながら、そこは意識してやりました」

 今野は身長が178センチ、伊野波は179センチと、CBとしては大きくはない。それでも、ハイボールの対応に苦しむ場面は、ほとんどなかった。「SHだったり、SBが良いクロスを上げさせないようなプレスを掛けてくれたから。良いクロスがそんなに上がってこなかったことが一番大きかった。中盤での競り合いで負けることはあったけど、なんとかコンパクトにしながら、ボランチも下がって来てくれて、挟み込めたのが、失点ゼロにつながったのかなと思います」と、今野はチーム全体で守り切れたと強調する。そして「誰が入っても同じサッカーができるようになってきている。信念があるから、今日もなんとか苦しい中でも勝ち切れたと思います」と、胸を張った。

 W杯アジア最終予選を完封勝利で締めくくった日本は、いよいよ15日に開幕するコンフェデレーションズ杯に挑む。ブラジル、イタリア、メキシコとの対戦に向けて、今野は「相手はものすごく、この試合よりレベルが高いと思うので、粘り強く守備をしなければいけない時間帯も多くなってくると思う。コンフェデでも粘り強く、体を張って、何とか最後のところをやらせないっていう時間帯はあると思うので、続けていきたいです」と、この日の収穫を今後へつなげていくことを誓った。

(取材・文 河合拓)

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