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日韓戦で選手を見極めたいザック 「どれだけ定着できるか」

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 日本代表は27日、韓国北部の坡州(パジュ)で練習を行い、28日の韓国戦に向けて最終調整した。勝てば自力での東アジア杯初優勝が決まる日韓戦。練習後に報道陣の取材に応じたアルベルト・ザッケローニ監督は「韓国はタフなチームで、戦ってくるチーム。彼らはホームで、大観衆の前でプレーできる。集中してくるだろうし、彼らにも(優勝の)チャンスがある。勝つしかないというのは分かっているだろうし、すごい気迫で来ると思う」と警戒を強めた。

 前日練習では中国戦の先発メンバーとオーストラリア戦の先発メンバーにチームを分け、それぞれ4-2-3-1のシステムで戦術確認した。韓国戦の先発について指揮官は「まずはコンディション」と明言。オーストラリア戦から中2日となることもあり、基本的には中国戦のメンバーに戻してくる可能性が高い。

 ザッケローニ監督就任後、これまでに韓国とは3度対戦し、1勝1分1PK勝ち。前回対戦した8月10日のキリンチャレンジ杯(札幌ド)では日本が3-0で圧勝しており、韓国では「札幌のリベンジを」と日本戦に向けて報道が過熱している。それでも指揮官は「韓国戦だけでなく、日本代表の試合にはいつも熱い思い入れがある。そういう意味では変わらない」とかわした。

 大会初優勝が懸かっていても、結果にはこだわらないという当初の考えは崩さない。「明日は勝ちにこだわるのか?」という質問にも「そういう種類の興奮はない。自分が持っている興奮は、選手たちが明日、どんなパフォーマンスを見せてくれるのかというところ。今回のメンバーがどれだけA代表に定着できるのかが気になる。そういう意味ではワクワクしている」と強調する。

「例えば、この大会が終わって、次のA代表に今回、参加した選手がだれも来ないような状態がもしできていたとしたら、それは非常に残念なことだと思う。繰り返しになるが、この大会に優勝したいという目的を持って臨んだのであれば、また違ったメンバー構成になったと思うし、代表常連組が来ていたと思う。明日のゲームは、前の2試合よりもいいパフォーマンスを出して、成長しているところを見せてくれることに期待したいし、それが見たい」

 今回のメンバーから何人をフルメンバーの代表に引き上げることができるか。結果よりも内容を重視する指揮官は「常に自分が欲しているものを得られるわけではないので、優先順位を付けている。W杯予選は突破することが一番大切だったし、この大会は選手を見ることが一番大切だと思っている」と、韓国戦もあくまで選手を見極める場と位置付けた。

(取材・文 西山紘平)

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