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日本vsセルビア 試合前日のザッケローニ監督会見要旨

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 欧州遠征中の日本代表は10日、セルビア北部ノビサドの試合会場となるカラジョルジェスタジアムで公式練習を行い、11日のセルビア戦に向けて最終調整した。

以下、練習後のザッケローニ監督会見要旨

アルベルト・ザッケローニ監督
―欧州での試合で欧州組はコンディションの負担は少ないと思うが?
「国内組も月曜に現地に入っているし、明日までの日数を考えると時差や旅の疲れも解消されていると思う。我々は長い距離の移動に徐々に慣れてきているので、さほど大きな問題にはならないと思う」

―全員が連動するサッカーは今合宿でどれくらいできているか?
「我々が目指しているのは攻守にわたって11人が連動するサッカー。目指すべきはそこで、より精度を高め、強化するために今回の遠征に臨んでいる。セルビアはフィジカル、技術、パーソナリティー、走力といった面で世界の強豪と言える実力を持っている。その相手にどこまでできるか興味がある。セルビアはW杯予選でクロアチア、ベルギーという世界でもトップ5に入るチームと同組になってしまったことが不運だと思っている。今回の欧州遠征でインターナショナルレベルの経験値をさらに高めていきたい。それが最大の目的であり、もし結果が付いてこなくても自信を失うのではなく、自分たちのやりたいことをトライして、経験値を高めていくというポジティブな姿勢で臨んでいきたい。10月、11月と欧州に遠征して強いチームと対戦させてほしいと私から協会にリクエストした。それは自信をなくすためではなく、W杯に向けて自分たちの経験値をより高めるためだ。

 セルビアは欧州のビッグクラブでプレーしている選手がほとんどだし、アウェーの環境で物怖じすることなく、自分たちの思い切ったプレーを見せてほしい。当然、負けるのはいいことではないが、それよりも自分たちがどういった姿勢でこの試合に取り組み、どういった内容で戦えるのかを重視していきたい。チームコンセプトである勇気とバランスを持って臨みたい。その上でどこで勇気が足りなかったのか、どこでバランスが崩れたのか、そういったことを試合後に冷静に判断していきたい。明日のゲームを消化したら、今年は残り3試合、来年は(W杯直前まで)1試合しかない。一つひとつを大切に戦っていきたい」

―コンフェデレーションズ杯のメキシコ戦は相手の高さを考えたメンバーだったが、今回は?
「身長差やサイズに関しては、我々がストロングポイントにしてきたところではない。そういう相手に対していかに自分たちのいいところを出していけるかということにフォーカスしてきた。明日も身長差というところにはあまりフォーカスせず、自分たちのストロングポイントをいかに出せるかというところに注意を置いていきたい。セルビアもハイボールだけでなく、グラウンダーでもしっかりつないでくるチームだと思う」

―相手にミハイロビッチとスタンコビッチがいることについては?
「ミハイロビッチもスタンコビッチも、彼らの現役時代に監督として指導してきた。非常に感慨深いし、楽しみだ。2人とも私のチームで活躍してくれた。ミハイロビッチは私が指導していた頃にケガをして、リハビリ中だったので、いろいろと苦労もあったと思う。スタンコビッチはラツィオのときに知り合って、私がインテルの監督になってから彼をインテルに移籍させた。もともとボランチでプレーしていたが、私が攻撃的なポジションにコンバートさせたことでブレイクし、それから欧州のビッグクラブも注目する存在になった。

 スタンコビッチは攻守にわたって高いクオリティーで90分間プレーを続け、それを1シーズン続けられるという意味で非常に価値のある選手だと記憶している。ミハイロビッチに関しては、サッカーという競技は常に走らないといけないスポーツだが、私が指導してきた中では世界で2人だけ走らなくてもプレーできる選手がいて、それがコスタクルタとミハイロビッチだ。ミハイロビッチは監督としても非常に優秀だし、素晴らしい仕事をしている。スタンコビッチは私が指導したときは『ザッケローニの息子』と呼ばれていたが、その後は『マンチーニの息子』となり、さらに『モウリーニョの息子』となった」

―遠藤の状態は? また、2022年のカタールW杯が冬開催になる可能性もあるが?
「遠藤は昨日までは別メニューだったが、プログラムされたメニューを高いレベルでこなせるようになったという報告があったので、今日はチームと一緒にトレーニングした。非常にいい状態だと思うし、今日のトレーニングの反応があるかないかを見て、明日最終的な判断を下したい。

 2022年の件だが、W杯は選手や監督だけのものではなく、サポーターや観客のためのものでもある。プレーする側だけでなく、見る側も快適に試合を楽しめるようにならないといけないし、そういう環境が用意されるべきだ。1月に変更すれば問題の解決になるし、サッカーの質も6月に比べて向上すると思う。どのような決定が下されるかは分からない。この世界は歴史的に見ると保守的なので、ここで大きな変更があるかどうかは分からないが、個人的にはW杯の質を高めるためにも1月に行われたほうがいいと思う。カタールにはW杯を成功させるための要素がすべてそろっていると思うし、(11年の)アジア杯もその時期(1月)に行われたが、成功していたと思う。当然、W杯はさらに規模が大きくなるので、アジア杯のようにはいかないかもしれないが、カタールはしっかりしているし、金銭的な余裕もあるので、その準備を進めることができると思う」

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