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ザック「いかにオランダを苦しめることができるか」

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 日本代表は15日、ベルギー・ゲンクのクリスタル・アレナで公式練習を行い、16日のオランダ戦に向けて最終調整した。合宿では3-4-3の確認も行ってきたが、練習後に記者会見したアルベルト・ザッケローニ監督は4-2-3-1と3-4-3、どちらのシステムでオランダ戦に臨むかは明言を避けた。

「我々には3バックも4バックも使えるオプションがあるが、だれを使うかによってどちらのシステムを使うか決める。練習で3バックも4バックも試してきたので、明日も3バックか4バックで臨もうと思っている」

 そう冗談まじりにかわした指揮官だが、「言えるのは4バックのシステムに、より慣れているということ。4バックのシステムのほうがより精度も高いと思うが、今回は2試合あるので、どちらかの試合、あるいは試合中のどこかのタイミングで、違ったオプションを試すこともありかなと思っている」と、基本は4-2-3-1で臨む考えを示した。

 すでにオランダは先発メンバーを明らかにしているが、「次に大切なコロンビア戦があるにもかかわらず、オランダがレギュラー組を使ってくることを個人的にはうれしく思っている。だからこそ、我々が通用すること、通用しないことが冷静に見えると思う。ここで出るであろう課題、問題をその後の数か月で修復していく時間もある」と、強豪相手の試合を通じて課題が出ることを歓迎した。

 10月の東欧遠征ではセルビアに0-2、ベラルーシに0-1と、2試合連続の無得点で連敗した。「攻守でいかにスムーズにできるかを見ていきたい。少なくとも9月の時点のレベルのところまでは戻していきたいと思っている」と、10月の2試合で停滞した攻撃面の改善を図りたい考えだ。

 FWアリエン・ロッベン(バイエルン)、FWイェレマイン・レンス(ディナモ・キエフ)を両翼に置くオランダはサイド攻撃が代名詞でもある。ロッベンと対峙する日本の左サイドはFW香川真司、DF長友佑都が並ぶ。ここで主導権を握れず、押し込まれるようなことになれば、日本の攻撃力も半減する。

「サイドチェンジを有効に使って、スペースがある中で1対1やウイングからの仕掛けを使ってくるのが彼らのやり方。それに対して我々がいかにコンパクトになれるか、いかに素早くチーム全体でボールサイドにスライドできるか、相手の狙いをいかにつぶすことができるか。そういうところにかかってくると思う」

 そう守備のポイントを挙げながらも、常に守勢に回るつもりはない。「いかにオランダを止めるかということばかりを考えるのではなく、いかにオランダを苦しめることができるかも同時に考えないといけない」。そう指摘したザッケローニ監督は「攻守両方で自分たちの狙いをトライしていくべきだし、成長のために、攻守を通じて日本がどこまでできるか。守るだけでなく、攻守にわたってアグレッシブにやるのが日本代表のあるべき姿だと思う」と力説した。

(取材・文 西山紘平)

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