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ファン・ハール「日本はヨーロッパ風になってきた」

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 オランダ代表は15日、ベルギー・ゲンクのクリスタル・アレナで公式練習を行い、16日の日本戦に向けて最終調整した。練習後に記者会見を行ったルイス・ファン・ハール監督は日本代表について「個人的な選手については話さないが、チームについては近年、非常に成長している」と評した。

「数多くの選手が海外でプレーしている。ヨーロッパのトップリーグ、ブンデスリーガでもプレーしている。監督もイタリア人ということで、プレースタイルもヨーロッパ風になってきた。オランダリーグでプレーしていた選手もいる。例えば本田もそうだ」

 日本は10月の欧州遠征でセルビアに0-2、ベラルーシに0-1と2試合連続の無得点で2連敗。映像で確認したという指揮官は「試合を分析すると、日本のほうが良いプレーをしていた。問題はプレーが良かったのにゴールにつながらなかったこと」と指摘した。

 EURO2012後の12年7月、ベルト・ファン・マルバイク前監督の後任として10年ぶりにオランダ代表監督に復帰したファン・ハール監督は積極的に若手を抜擢。「(前監督との)一番の違いは、若い選手を起用していること。これが正しい選択だったかどうかは、未来にしか分からない」と話す。

 特にDF陣は若手が目立つ。日本戦に先発するとみられるDFダリル・ヤンマート(フェイエノールト)は24歳、DFステファン・デ・フライ(フェイエノールト)は21歳、DFロン・フラール(アストン・ビラ)は28歳、DFダレイ・ブリント(アヤックス)は23歳。フラールはDFブルーノ・マルティンス・インディ(フェイエノールト)のケガに伴い、急きょ先発が決まった。インディは21歳だ。

 経験が重要ともされる守備陣にも積極的に若手を登用する指揮官だが、「まったく心配ない」と、周囲の不安視する声を一蹴する。

「18歳の選手が30歳の選手より経験を積んでいる場合もある。30歳の選手が国際試合を100試合経験していても、間違ったやり方でプレーしているかもしれない。逆に18歳の選手が私のビジョンの下で教育されていれば、私のビジョンでの経験は長いので、私のビジョンを実践できることになる」

 そう持論を展開するファン・ハール監督は前日14日にコロンビアに0-2で敗れたベルギーを例に出し、「経験あるDFでやっていたので負けた」とまで言った。「ディフェンスは4人だけではなく、チーム全体で守備をする。MF、FWにも守備の役割はある。チームが一つとなって連動すれば、負ける可能性は低くなる」と自信を持って言った。

 すでに14年のブラジルW杯後に退任する意向を示している指揮官はこの日も「W杯後については2つの可能性がある。一つはポルトガルでゆっくり過ごすこと。もう一つは新しいチャレンジを受けるというもの」と、結果にかかわらず続投の可能性を否定した。オランダメディアから「新たなチャレンジとして日本はどうか?」との質問も出たが、「過去に日本からも中国からも声をかけられたことはあるが、今までは断ってきた」と、過去にオファーを受けたことを明かしたうえで、「絶対にないとは言えないが、遠いところにはもう行きたくない」と冗談交じりに日本行きを“拒否”していた。

(取材・文 西山紘平)

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