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長谷部「ベルギーはチームより個で戦っている」

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 MFエデン・アザール(チェルシー)らサイドアタックの強烈さはオランダに匹敵し、さらにはFW、そして中盤も強烈。過去のベルギー戦は通算1勝2分と負けていないが、ブラジルW杯の第1シード入りを果たした今のベルギーは、02年W杯で2-2と引き分けたときのイメージ、あるいは09年5月31日のキリンチャレンジ杯でDF長友佑都(当時・F東京)やFW岡崎慎司(当時・清水)のゴールなどで4-0と完勝したチームとはまったく別物だ。

 09年の対戦で先発したMF長谷部誠(ニュルンベルク)にとっては2度目のベルギー戦。今回は完全アウェーでの試合となる。10月の東欧遠征で崩れていたチームのバランスをオランダ戦でいくばくか取り返した今の日本にとって、ベルギー戦は結果も内容も問いたい試合というのが、長谷部の考えだ。

「オランダ戦はポジティブなゲームだったと思うが、ファン・ペルシー(マンチェスター・U)もいなかったし、チームは本調子じゃなかった。次が大事になる」と気を引き締める。

 ベルギーの情報はすでに得ている。「コロンビア戦を見て感じたのは、ベルギーはどちらかと言うと、チームというより個で戦うチームであるということ。個々の能力はもちろん高いが、チームとして連動しているのは感じなかった。付け入る隙は十分ある」

 打開のヒントになりそうなのは、コロンビアのFWラダメル・ファルカオ(モナコ)が決めた1点目。「コロンビアはもちろん素晴らしいが、1失点目はベルギーの守備が組織として非常に甘かったと思う。チームとしてという意味では、まとまり感は感じられなかった」。連係不足が垣間見える守備陣の隙を突いていけば、チャンスが生まれるという手応えがあるのだ。

 ベルギー戦は年内最後の代表戦。14年のブラジルW杯本大会につなげるためにも、最高の試合をして締めくくりたい。長谷部の表情にはベルギー戦で世界を驚かすという力がみなぎっていた。

(取材・文 矢内由美子)

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