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[AFC U-16選手権]「ほぼパーフェクト」。完封&決勝点のDF瀬古歩夢は世界を見据える

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攻守に活躍したDF瀬古歩夢(C大阪U-18)。決勝点を決め、完封勝利

[9.25 AFC U-16選手権準々決勝 日本1-0UAE]

 9月25日(現地時間)、AFC U-16選手権準々決勝UAE戦は「1点勝負になる」という森山佳郎監督の事前の予想どおり、最後まで勝負の行方に確信が持てない厳しいゲームとなった。爆発的な得点力をもってその名をアジアに轟かせてきたU-16日本代表だが、この試合は攻撃陣が最後までゴールネットを揺らすことができず。難しい状況で試合が進んでいくなかで、守備の要、DF瀬古歩夢(C大阪U-18)が輝いた。

 こう着していた試合が動き出したのは31分だった。久保建英(FC東京U-18)の蹴った右CKは「捕られたと思った」(久保)という弾道だったが、UAEのGKアルハレスがファンブル。ここに抜け目なく詰めていた瀬古が押し込み、最初のゴールにして決勝点が生まれた。「昨日のミーティングでも(GKが)こぼすことが多いという情報はあった」(瀬古)というスカウティングを受けて狙っていたシュート。昨年のアジア1次予選でもファーストゴールを決めている男が、大事な勝負の試合で先制点を奪い取った。

 ところが、この後が続かない。決定機を逃す流れの中で徐々にUAEのペースになり、特に後半に入ってからは大きく試合の雰囲気も変わっていった。

「すごくタフな流れでしたけれど、とにかく後ろはゼロで抑えようと言い合っていた」(瀬古)。

 相手のロングボールには率先して競り合って跳ね返し、サイドへのカバーリングもこなした。CBの相方・菅原由勢(名古屋U18)と連係を取りながら、下がり過ぎないライン設定も意識して、最後までゴールを割らせず。森山佳郎監督も「あの二人(瀬古と菅原)、本当に素晴らしかった。ほぼパーフェクト。2トップに加えて両サイドも単体で“やれる”選手。特に14番(ファウジ)のスピードを活かしてくる部分は(警戒していたが)ほぼ何もさせなかった」と手放しで大絶賛。劣勢に傾きかけた天秤を支え続けた二人のCBを大いに称えた。

 終了のホイッスルが鳴り響いたときは、「最初は実感が湧かなかったけれど、喜び合ううちに1年半かけて、ここまで来たことを思い出した」(瀬古)という。だが、感慨にふけるのはここまでだという気持ちも同時にある。「あと2試合でアジア王者になって、U-17ワールドカップでは日本の強さを見せ付けないといけない」と言い切った。00ジャパン守備のリーダーは、早くも世界舞台を見据えていた。

(取材・文 川端暁彦)
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