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初の8強懸かる大一番で本田が大事にする「遊び心」

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ベルギー戦へ調整するMF本田圭佑

 “遊び心”を持って初の8強進出を成し遂げる。7月2日の決勝トーナメント1回戦・ベルギー戦(ロストフ・ナ・ドヌ)を2日後に控えた30日、日本代表MF本田圭佑(パチューカ)が報道陣の取材に対応。中3日での連戦に「もちろんやれることは限られている。時間もない。一番大事なのは精神的なところ」と指摘した。

 2大会ぶり3度目の決勝トーナメント進出を果たした日本だが、本田にとっては2010年南アフリカ大会以来、2度目のラウンド16になる。「思い切ってやることはできる。2010年のパラグアイ戦もできた」。0-0のままPK戦の末、敗退した8年前の記憶を呼び起こし、「前(準々決勝)に進まないといけない。勝つということを実現しないといけない」との言葉にも力がこもった。

 8年前との違いもある。グループリーグ3試合で「出し尽くしたところがあった」(西野朗監督)南アフリカ大会と違い、今大会は3試合目で先発6人を入れ替えるなど、主力を休ませることもできた。8年前の試合を経験している選手が本田を含めて5人いることもチームとして大きい。

 本田は「監督が言う余力というのはフィジカル的なものだけでなく、精神的なものも明らかに違う。2010年を経験している選手が何人もいることがビッグアドバンテージであるのは間違いない」としながらも、「余裕ある状況でチャレンジできるという状況で勝てるかどうか。(それでも日本は)分が悪い戦力だと思う」と、ベルギーとの実力差を認める。

「近年、とにかく力を付けている印象。強豪国と言われるブランドをこの近年で築いた」。そうベルギーへのリスペクトを口にし、「プラスアルファが要求されるし、果敢に楽しみながらプレーしたい」と続けた。

 初のベスト8進出が懸かった大一番を「ただのチャレンジではなく、楽しみながら、遊び心を持ちながら未知のチャレンジができる」と表現するのは、過去の苦い経験があるからでもある。「終わったあと、遊び心がなかったと後悔してきたことが多々あった」。だからこそ、チームメイトにもそういう意識でベルギー戦に臨むことを求めている。

「遊び心は一人ひとりが自分で持てるかどうか。『遊び心を持て』と言って、持てるわけではない。ただ、それを言葉として若い選手の頭にも入れておくことは価値あることかなと思う。こういう大会期間中に、記録が懸かっているような状態で、だれかが自分の耳に入れてくれることは非常に価値があること。それが頭に入ってきてもしっくり来るかどうかは別問題だけど」

 19日のコロンビア戦(2-1)、24日のセネガル戦(2-2)はいずれも途中出場でアシスト、ゴールという結果を残してきた。ベルギー戦に向けても「途中から出る。それが有力だと思う」と、自分自身の役割は理解している。「得点に絡むプレー、アイデアを出すこと。その準備に時間をかけたい」。西野ジャパンが誇るスーパーサブとして、日本を未知の領域へ導くつもりだ。

(取材・文 西山紘平)

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