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「やれるから使っている」指揮官の言葉を意気に感じた冨安、“自己分析”を成長の糧に

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気持ちを切り替えた日本代表DF冨安健洋(シントトロイデン)

 公式大会デビュー戦は本職ではないボランチ起用。日本代表DF冨安健洋(シントトロイデン)はアジアカップのグループリーグ第1節・トルクメニスタン戦をあらためて振り返り、「大会初戦で難しさもありながら、違ったポジションでやったけど、それにしてもまだまだやらないといけなかった」と語った。

 アジア杯デビューを飾った冨安だが、大きな課題を残した一戦だった。MF守田英正の離脱、MF遠藤航の合流遅れにより、急遽掴んだボランチの先発。守備的な役割を期待されてピッチに立ったものの、カウンターで喫した2失点を止めることができず、満足のいくプレーとはならなかった。

 だが、すでに自己分析は終えた様子。チームミーティングでは試合の反省が行われたといい、「細かくどこがどうというふうには言っていないけど、内容は分かっているとおりあまり良くなかったので切り替えて良い準備できれば」と述べるにとどめたが、「個人的には…」という注釈付きで次のように語った。

「攻撃面では全部ボールを受けようと顔を出そうとしすぎて、ここぞというところで居なければいけないところに居なかった。攻撃のポジショニングが悪かったからこそ、失った時にボールに行けないし、最終ラインのサポートもできず、死んでいるポジショニングだったかなと思った」。

 課題が抽出できているからこそ、改善点も明確になるもの。「ボールの流れを読んで動きすぎないことが必要だと思ったし、やっていきながら学んでいかないといけない」。そう前を向いた20歳は「良いポジションを取れば失った瞬間にプレッシャーに行けるのでポジショニングが大事」とあらためて学びを得たようだ。

 試合後、森保一監督からは「ポジションどうこうじゃなくやれることをやってくれ。やれるからこそ使っている」という励ましを受けたといい、「ポジティブな声かけをしてくれる」と意気に感じた様子。「経験が1試合積めたので、これからより良くしないといけない」とすでに気持ちは切り替わっている。

 発熱で合流が遅れた遠藤のコンディションも上がっているとみられ、今後は指揮官の言葉どおり本職のセンターバックに戻ることも想定される。「景色が変わるので、次にCBをするタイミングがあればより余裕を持ってボールを持つことができる」。指揮官の信頼を感じさせるポリバレント起用を今後の成長の糧とするつもりだ。

(取材・文 竹内達也)

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