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濃密な1か月を過ごしたシュミット「この浅いJリーグ出場歴でここまで経験させてもらえるとは…」

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決勝に向けて調整するGKシュミット・ダニエル

 アジアカップの日本代表メンバーとして過ごしてきた1か月余りの期間で、GKシュミット・ダニエル(仙台)は多くのことを感じ取っている。

 試合出場はグループリーグ第3戦のウズベキスタン戦(○2-1)のみ。しかし、大会前半から中盤にかけてはGK東口順昭が腰痛で別メニュー調整を強いられ、絶対にケガはできないという緊迫感の中でチーム練習をこなすという見えにくい難しさもクリアしてきた。

 それは「日本代表は間違いなくここにいるだけで成長できる環境」(シュミット)だから。UAEでの最後のトレーニングを終えると、「毎日それを考えながら過ごして、1日ずつレベルアップするというモチベーションでやっていた」と、この1か月間を振り返るように言った。

 2月3日に27歳の誕生日を迎えるが、中学まではフィールドプレイヤーだったことで、GK歴はまだ10年余りだ。大卒のためプロ歴も浅く、J1での出場数は38試合。250試合のGK権田修一、248試合の東口と比べると圧倒的に少ない。

「この浅いJリーグ出場歴でここまで経験させてもらえるとは思っていなかった」と語ったのは本音だろう。しかし、カタールとの決勝戦に向けて熱い気持ちが沸き上がっているのもまた率直な思いだ。

「こういう舞台で出て、チームを優勝に導けるような存在になれたら一番だけど、試合に出られなくてもこの場にいられる人は限られている。ましてや決勝の舞台を経験できるのは一握り。明日はそこをかみ締めてしっかり自分の経験にできるようにしたい」。日本代表は23人全員が情熱を持って決勝戦に挑む。

(取材・文 矢内由美子)

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