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技術・判断・身体も成長中。U-16日本代表候補の大型MF石渡ネルソンは目標のポグバ、「CLでのゴール」へ近づく

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U-16日本代表候補の長身ボランチMF石渡ネルソン(C大阪U-18)

[7.7 練習試合 U-16日本代表候補 1-2 市立船橋高]

「(ポグバのように)中盤で見ていて面白いというか、ボールを持ったら何かしてくれそうな選手に僕もなりたい」。U-16日本代表候補の長身ボランチMF石渡ネルソン(C大阪U-18)が、目標の選手として名を挙げるのはフランス代表MFポール・ポグバ(マンチェスター・ユナイテッド)だ。

 C大阪 西U-15からC大阪U-18へ昇格した高校1年生は、プレミアリーグWEST初戦で先発デビュー。その大型MFは、U-16日本代表候補の練習試合で、次のプレーを考えながらボールを受けてさばき、サイドへの展開力、ボールを奪う部分も見せていた。

「『(普段から)高3と戦ってきているから大丈夫や』みたいな自信がありました」という石渡は、同世代の日本代表チームに入っても自信を持ってプレーできているという。以前に比べて特に実感しているのは、選択肢を多く持ってプレーできるようになったこと。C大阪U-18では止める・蹴るを重点的にトレーニングしてきており、その成果も判断の余裕を生み出しているようだ。

 スケール感大きなMFが、ポグバに近づくために取り組んでいることが身体づくりだ。「高校に入って食事の面で凄く変わったなと思っています。中学の頃はお茶碗1杯でお腹いっぱいになったら、『ご馳走さま』としていたんですけれども、高校に入ってから細いと言われていて、ご飯食べる量は結構意識しています」

 昨年に比べて5、6kgも増量。現在は思ったところへボールが止められずに多少プレッシャーを掛けられても、「前までは(競り)負けてしまっていたんですけれども、ガッと行って耐えられるようななったという実感があります」という。強さ、技術面でも思い描く姿へ一歩一歩近づいている。

 ナイジェリア人の父と日本人の母を持つ石渡は、オンライン取材中も笑顔が多く、ハツラツとコメントしていた。高校1年生中心のU-16日本代表候補にはまだ周りに付いていくタイプの選手が多そうな印象だが、その中で明るさを表現。ピッチでも下を向かないことを意識しているという。

「チームが負けている時とかどうしても顔が下がったりしがちじゃないですか。中盤の選手がああとなっちゃったら全部崩れてしまうと思うし、負けていても下向かずに前を向いてやっていこうと思います」。一方で「浮かれずに、初心を忘れずに」と語るなど、キャラクターも魅力の大型MFは、野心を持って代表チームでプレーしている。

「(今回も)代表選ばれたことは光栄なことですし、選ばれたからには『やってやろう』と思っているし、情けないプレーはできないし、『一泡吹かせてやろう』という気持ちは常に持ってプレーしています」。この日の練習試合は後半半ば頃から運動量が落ち、技術ミスも増加。自分の課題だという部分に精力的に取り組み、年代別代表チームの中でも輝く。

「僕、将来の目標がチャンピオンズリーグでゴールを決めることなので、それに向かって日々努力していますし、その目標が達成できても満足せずにワールドカップやオリンピック、もっと上を目指してやっていきたいです」。ロサンゼルス五輪世代期待の大器は大目標達成へ本気。そのために努力を続け、まずC大阪U-18や年代別代表チームで結果を残す。

(取材・文 吉田太郎)

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