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鮮やかループ弾! U-21日本代表FW中島大嘉が“成人”好スタート「おれ昨日誕生日でしたハタチです」

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前日が二十歳の誕生日だったFW中島大嘉(札幌)

[6.9 AFC U23アジア杯GL第3節 日本3-0タジキスタン タシケント]

 U-21日本代表はU23アジア杯のグループリーグ最終節でタジキスタンに3-0の勝利。ダメ押しの3点目は、前日に二十歳の誕生日を迎えたFW中島大嘉(札幌)の華麗なループシュートだった。

 初の国際大会となった中島は、初戦のUAE戦、第2節のサウジアラビア戦ともに後半33分から出場。だが、試合に入ることができないまま終わっていた。6日のサウジアラビア戦後の囲み取材では「なんでこんなプレーをしているんだろう」と落胆。「殻を破らないと中島大嘉はここで終わってしまう。ここで気づけてよかった。怪物・中島大嘉を見せられたら一番いい。でも今は胸張って言えない。怪物とか言って奮い立たせてやるしかない」と胸中を明かしていた。

 8日のタジキスタン戦前日練習では笑顔も見せていた。「今回チームが苦しい時期に代表に行かせてもらっているので、このまま帰るわけにはいかない。まずはチームの勝利を一番に考えた上で、でも自分のエゴはいいところ。出し過ぎずに、チームに落とし込んでやれば。いまの状況を脱して、また一歩怪物に近づけるんじゃないかなと思っている。明日の試合で5分でも10分でもチャンスが来たら、誰よりも点を取りたい」。6月8日は二十歳の誕生日。だが、それよりも試合に集中している様子を見せていた。

 そして迎えたタジキスタン戦。2-0で迎えた後半13分に中島は投入された。10分後にはDF内野貴史のパスからゴールネットを揺らすが、ビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)のチェックが入る。「めっちゃ審判にお願いしたんですよ、ほんまお願いって」。しかし、無情にも中島のオフサイドが認められ、ノーゴールとなった。

 だが、後半アディショナルタイムに持ち味を発揮。DF半田陸の鋭い縦パスから、中島が大きなトラップでボールを前方に流す。スピードに乗った188cmは相手守備陣を置き去りに。飛び出した相手GKの頭上を越える鮮やかなループシュートを放ち、ダメ押しの3点目を決め切った。

 試合後、報道陣の囲み取材では明るさを取り戻した。受け答えを終えると「おれも忘れてました。おれ昨日誕生日でしたハタチです!」と自己アピール。「去年の誕生日の次の日、天皇杯(2回戦ソニー仙台戦)でハットトリックしたんですよ。6月9日は最強です。ハタチの中島はすごいです。成人祝いのゴールでした。なんでも任せてください!」。急こう配で絶好調へ。“ハタチの中島大嘉”が好スタートを切った。

(取材・文 石川祐介)
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