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U-21日本代表DF加藤聖は「今季一番だめだった」初戦から復調、未経験VARは「いつも以上に気をつけないと」

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DF加藤聖(長崎)

 AFC U23アジア杯のグループリーグ突破を決めたU-21日本代表は、12日の準々決勝で韓国と対戦する。10日もトレーニングが予定されていたが、急きょ中止に。リカバリー組も含めた23名全員で11日の練習に集中する形に決めた。オンライン取材はDF加藤聖(長崎)が受け、これまでのグループリーグ3試合を振り返った。

 3日から9日までのグループリーグ3連戦を勝ち抜き、加藤は「嬉しい気持ちもあるんですけど、もっとさらに気を引き締めて、次の決勝ラウンドに挑んでいきたい」とすでに気持ちを切り替えている。第1節・UAE戦(○2-1)、第2節・サウジアラビア戦(△0-0)に出場。「初戦は本当に今シーズンで一番だめなプレー。良くなかった。チームは勝って嬉しかったんですけど、悔しさが残っていた」。最初のミスでメンタル面の立ち直りに時間がかかったと明かした。

 それでも第2節ではフル出場で奮闘。左サイドでコンビを組んだMF斉藤光毅(ロンメル)と好連係を見せながら、持ち味の攻撃力を発揮した。一方で、守備面ではミスをしてしまった初戦を強く意識。失点シーンでは、加藤とDFチェイス・アンリ(シュツットガルト)の動きが被ってしまっていた。「もっとカバーのポジショニングを強く意識すれば、あの失点は僕がクリアして防げた。2戦目は背後の対応を意識して、なるべく下がることを意識できた。1戦目の反省を2戦目に生かせたのは、前向きに捉えたい」。勝利とはならなかったが、第2節では強敵サウジアラビアとスコアレスで引き分けた。

 2勝1分でグループ2位通過した日本は、準々決勝で韓国と対戦する。万全の対策を取っていく中で、選手たちがより注意すべきはビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)かもしれない。

 第2節・サウジアラビア戦では後半30分過ぎにFW藤尾翔太(徳島)が相手選手と交錯。相手が鼻血を出す中でVARのチェックが入り、主審がモニターで確認すると、藤尾の手が相手の顔に当たったことが認められ、藤尾にレッドカードが出された。第3節ではPK、オフサイド、そしてMF三戸舜介(新潟)へのレッドカードでVARのチェックが入り、日本はたびたび泣かされた。

 J2のV・ファーレン長崎に所属する加藤は、VARへの対応の難しさを語る。「VARがいる状況はほとんど経験したことがなくて、ちょっとしたことにも気をつけないと。PA内のプレーは、いつも以上に気をつけないといけない」。VARのルールはほとんどJ1のみ。チームにJ2所属の選手は多く、いずれも対応には注意が必要となる。

 持ち前の左足キック精度は少しずつ復調を見せているようだ。「だいぶ慣れた感じはするけど、もう一段階は質を上げたい。(第2節・サウジアラビア戦で)1アシストできていれば勝てていたので」。チームにはヘディングシュートが強いFW細谷真大(柏)やFW中島大嘉(札幌)が揃う。加藤のお膳立てにもさらなる期待が懸かる。

(取材・文 石川祐介)
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