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U-18日本代表MF坂井駿也が右SBとして特長発揮。流れの中から先制点

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前半17分、U-18日本代表は右SB坂井駿也(鳥栖U-18)が先制ゴール

[8.28 SBS杯第3節 U-18日本代表 1-1(PK4-5)U-18ウズベキスタン代表 エコパ]

 U-18日本代表は、80分間での勝利が逆転優勝の条件。立ち上がりから攻勢に試合を進める中、前半17分に貴重な先制点を奪った。決めたのは、MF登録の右SB坂井駿也(鳥栖U-18)だ。

 ボランチを本職とする坂井はU-18ウルグアイ代表との初戦で交代出場し、素晴らしいサイドチェンジで劇的決勝点の起点に。続く静岡ユース戦は4-3-3システムのアンカーとして先発し、後半途中から右SBを務めていた。

 そして、優勝を懸けた最終節は右SBとして先発出場。サッカーIQの高さ、ビルドアップ、ロングキックの精度を発揮するなど、攻守両面で利いていた。そして、得点シーンでは、タッチライン際へ開いたMF根本鼓太郎(桐蔭横浜大)の内側を取る形でビルドアップに参加。根本からのパスを受けたMF下田栄祐(鹿島ユース)が左中間で前を向くと、そのまま前線にポジションを取った。

 下田から左のMF名願斗哉(履正社高)へスルーパスが通った瞬間、ゴール前へスプリント。ゴールを背にマイナスの折り返しをコントロールすると、ターンしながらの右足シュートをゴール左隅へ突き刺した。

「自分、右SBだったんですけれども、後ろの選手でもゴール前まで行くというのは(鳥栖の)トップチームでも求められているプレーだったんで、それが出たかなというシーンでした。ゴール前まで行って良いゴールを決められたので、そこは良かったかなと思います」

 この日はゴール以外にも狙いとする動きを表現。「自分はボランチできる選手なので、外で張るというよりは中にも入って行けるということで他のSBの選手よりもそういうプレーはできる自信がありました。タイミング良く中でプレーしたり、ロングキックしたりというのは得意にしているので、背後に落とすボールだったりは今日の試合でもできたと思います」。登録は170cm、63kg。チームの中で小柄な部類の坂井だが、的確な読みや切り替えの速さを活かした守備を含め、存在感ある動きでSBSカップを終えた。

 U-18日本代表は多くの時間帯で主導権を握っていた印象だが、2点目を奪えず。後半にミドルシュート一発で追いつかれ、優勝を逃した。坂井は「海外の選手の最後の身体を張るところや(1チャンスで)決めてくるところを今日の試合から学ぶことができました。自チームに戻って、自分たちもああいうところで決めるというところが日本の選手とかは足りないから、そこはもっとしていかないといけないと思います」。世界で勝つために、最後の局面の質を上げる必要性などを学ぶ大会になった。

 U-18日本代表からU-19日本代表へ“個人昇格”することは代表チームでの目標だ。「自分のチームから楢原(慶輝)や福井(太智)という選手がどんどん上に上がって行く中で、自分は本当に悔しい思いをしているし、今回のこの合宿でも食ってやろうという気持ちで来た」。これまで代表チームや鳥栖U-18でCBを務めたこともあるユーティリティー。SBとしても世界で戦えることを示した坂井は、本気でU-19日本代表入りを目指し続けてチャンスを掴む。

(取材・文 吉田太郎)

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