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3年前に経験済みの「ラオスでの1次予選」。U-19日本代表MF福井太智は「繰り返さないという気持ち」

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ドイツから合流、コンディションを上げてきたU-19日本代表MF福井太智(鳥栖U-18)

「AFC U20アジアカップウズベキスタン2023予選」において、初戦の地元ラオス戦を白星で飾ったU-19日本代表が13日、試合翌日、そして同時に試合前日でもある“中1日トレーニング”を実施した。

 練習前には大会直前の負傷の影響でチームを離れることとなったFW内藤大和(甲府)が全員の前で挨拶し、選手たちを激励する一幕も。内藤に代わるFWとしては大会初戦直前にFW千葉寛汰(今治)が滑り込みでエントリーしており、13日夜にチームへの合流を果たしている。

 所属クラブとの調整を含め、内藤の負傷の経過観察を受けてからの対応で、ギリギリ間に合った形となった。ユース年代において世代屈指の実績を持ち、今回の代表メンバーとのプレー経験を持つストライカーを呼べたことで、アウェイで行われる大会直前に選手が負傷離脱するという最悪の事態に顔を曇らせていた冨樫剛一監督も、ホッと一息つくこととなった。

 その練習では前日のラオス戦に長く出場していた選手たちと、出場しなかった、あるいは出場時間が短かった選手たちが分かれてトレーニング。練習時間自体は短く制限しつつ、汗を流して調整を行った。大会前から冨樫監督は「中1日の連戦なので、本当に全員で戦うつもり」とターンオーバーを示唆しており、グアム戦に向けては大幅な先発メンバーの入れ替えがありそうだ。

 練習を終えて、「間違いなく今まで一番暑かったです」。そう言って笑ったのはMF福井太智(鳥栖U-18)。ドイツの超名門バイエルン・ミュンヘンへの練習参加から、遠く移動して代表に合流するというタフなスケジュールをこなしてきたためコンディション面も心配されたが、「最初だけキツかったし、もう大丈夫ですね」と笑顔で語る。また、欧州と日本を往復して戦うA代表の選手たちの凄さをあらためて実感したとも言う。

 離脱した内藤やこの福井、あるいは10番を背負うMF北野颯太(C大阪)といった高校3年生に当たる世代の選手たちは、この「ラオスでの1次予選」に、ちょっとしたリベンジの気持ちも抱えている。今から3年前、同じラオスでU-15日本代表としてアジアの1次予選に臨み、最終戦で試合終了直前の内藤のゴールでギリギリの引き分けに持ち込んで突破を決めるという、ちょっとした屈辱の思い出があるのだ。「あの借りは返す」(北野)というのが、当時のメンバー全員のキーワードだ。

 そうしたリベンジの思いとともに、「ラオスで戦ったことはあるので、どういう場所なのかは覚えていた」(福井)というアドバンテージも発揮しつつ、「中3のときにした経験を繰り返さないという気持ちでやっている」と言う。体のコンディショニングはもちろん、気持ちの作り方の部分、あるいはチームワークへの貢献といった部分まで様々だが、福井はそうした点を当然のものとしつつ、同時に「点を取って貢献したい」とも強調した。

 ここまでの試合を観ると、グアムはグループの中でも力関係では下のほうに位置しそうだが、「アジア予選はまず勝つことが大事、一つ一つの試合にしっかり向き合う」(冨樫監督)と一片の油断もなく、この一戦へ臨む。

(取材・文 川端暁彦)
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