beacon

FIFAテクニカルグループがアジア勢の躍進を分析「日本にはブンデスリーガの主将も…」

このエントリーをはてなブックマークに追加

テクニカルスタディグループ

 国際サッカー連盟(FIFA)は12日、ドーハのメインメディアセンターで、カタールW杯に関するテクニカルスタディグループのメディアブリーフィングを行った。元日本代表監督のアルベルト・ザッケローニ氏、アジア代表の元韓国代表FWチャ・ドゥリ氏ら7人が登壇し、今大会の傾向を分析した。

 アジア勢の躍進についても話題が及んだ。2002年の日韓共催に続いて史上2度目のアジア開催となった今大会では、アジアサッカー連盟(AFC)から出場した日本、韓国、オーストラリアが決勝トーナメント進出。史上初めて3か国が16強入りしたほか、サウジアラビアがアルゼンチンを破ったり、イランがウェールズを破ったりと、随所で活躍が目立った。

 チャ・ドゥリ氏は「アジアのチームが非常に良い成績を収めたことは、これからのアジアのサッカーの発展にとって非常に重要なことであり、大変嬉しく思う。また、多くのアジアのチームがグループリーグで伝統的な強豪国を破り、ラウンド16に進出したことも非常に喜ばしい。アジアの3チームがラウンド16に進出したことは、アジアサッカーの未来が明るいという印象を強く与えた」と前向きに語った。

 またチャ・ドゥリ氏は「なぜこのようなことが起こったかというと、まず現在多くのアジアの選手がヨーロッパでプレーしていることが挙げられる」と分析。「私がW杯でプレーした2002年当時、(韓国代表で)ヨーロッパでプレーしていた選手はたった2人で、残りは韓国、つまりKリーグや他のアジアの国々でプレーしていた。しかし、現在ではオーストラリアや韓国、特に日本では、多くの選手がドイツでプレーしている。日本人にはブンデスリーガでキャプテンになった選手もいる。ヨーロッパのチームや伝統的な強豪チームに対しても、それほど恐れることはない。毎週、毎日、彼らと練習し、毎週彼らと試合をしているため、アジア人選手は自信を持ち、能力を発揮できるようになった」と、シュツットガルトで主将を務めるMF遠藤航の例も挙げながら見解を語った。

 中でも日本代表の森保一監督について「日本人監督は日本で生まれており、驚くべき戦術的なスキルを示した」と賞賛。「ラウンド16が始まって以降、アジアのチームはより困難に晒され始めたが、これらのチームと強豪国との差は縮まりつつある。次のW杯で何が起きるか見ていこうではないか」と前向きに展望した。

 さらにモロッコが史上初めて4強入りを果たしたアフリカ勢の躍進についても、元ナイジェリア代表FWのサンデー・オリセー氏が概説。ガーナ、カメルーン、セネガル、チュニジアがいずれも勝利したことに触れつつ、「これまでで最も素晴らしい大会となった。アフリカとアラブのチームが準決勝に進出するのは初めてだが、それだけではなく、全てのアフリカのチームが少なくとも1勝できたからだ」と誇った。

 モロッコの躍進の理由については「ボールを持っていない時も選手全員が献身的に仕事をしている。ソフィアン・アムラバトという素晴らしい仕事をしている選手もいる」とした上で、今大会最小失点(1失点)の守備に着目。「モロッコがディフェンスモードに入ると、そこら中が三角形で埋め尽くされる。三角形でプレーをすると、(相手は)パスを出すのもラインを破るのも難しくなり、向かうところ敵なしとなる」とコンパクトな守備組織を賞賛した。

 加えてザッケローニ氏は欧州担当として2大会連続のベスト4進出を果たしたクロアチアにフォーカス。「クロアチアがここまで来ることができたのは中盤の選手たちの並外れた質の高さによるものが大きい。また質的な面だけでなく、量的な面でも優れている。クロアチアの中盤の選手たちが、フィールドの中央で働き、サイドで数的優位になるのを私たちは見てきた。役割分担をしながら、ライン間でプレーしたり、ディフェンスを助けるために戻ったり全てのことをやってきている」とMFルカ・モドリッチ(R・マドリー)らが担う中盤の働きぶりに目を見張った。

 なお、今月4日に行われたグループリーグ48試合の総括ではアーセン・ベンゲル氏(FIFAグローバルフットボールデベロップメントチーフ)が登壇していたが、今回は不在。イギリス『ガーディアン』などによると、同氏が「期待を裏切らなかったチーム」の例として「政治的なデモンストレーションでなく大会に集中するマインドセットを持っていたチーム」と発言したことが影響しているのではないかと報じられている。

▶「FIFA ワールドカップ」決勝トーナメントもABEMAで無料生中継!ハイライト無料配信!
★日本代表など参加32チームの最新情報をチェック!!
2022W杯カタール大会特集ページ
★全64試合の日程&テレビ放送をチェック!!
2022W杯カタール大会日程&TV放送

TOP