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U-18日本代表候補は初選出組も奮闘。得意の守備、アシストでアピールのMF神田拓人は定着へ「もっと成長」

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3本目32分、U-18日本代表候補MF神田拓人(尚志高)が左足パスで決勝点をアシスト

[3.3 練習試合 U-18日本代表候補 3-2 早稲田大JFA夢フィールド]

 2年後のU-20ワールドカップへ本格始動したU-18日本代表候補。5日間の合宿では、年代別日本代表候補初選出の選手たちも奮闘した。流通経済大との初陣でFW網代陽勇(尚志高)が1ゴール。早稲田大戦ではMF岡崎寅太郎(川崎FU-18)が決勝点を決めた。その決勝点をアシストしたMF神田拓人(尚志高)も初選出でアピールした一人だ。

「最初緊張したんですけれども、自分が初招集という理由で遠慮するのはダメだと思うので、自分からもっと積極的に声を出したり、前に行く姿勢というのはやるようにしました」と神田。この日は2本目途中から出場すると、ダブルボランチを組んだ司令塔役のMF林奏太朗(鳥栖U-18)をサポートしながら、自分の強みを発揮し、結果も残した。

 最大の強みは読みとアプローチの速さを活かしたボール奪取。インターセプトから味方にボールをつけ、崩しにも絡んだ。そして、3本目32分には前線の選手をサポートする形で右サイドの高い位置へ。そして、左足で逆サイドのMF岡崎寅太郎(川崎F U-18)へ絶妙なループパスを通してアシストした。

「間接視野で寅がいるというのは何となく分かっていて、そこの前に相手がいたので、ゴロで出したら通らないので、浮かして出したら良い感じに通ったので良かった。『最後は結果を残して終わろうかな』と最後の3本目に臨んで、それがしっかりアシストという形で残せて良かった」。狙ってアピールに成功。その神田にとって、初の年代別日本代表候補合宿は課題と手応えと両方を感じるものになったようだ。

「やっぱり代表活動は今までの活動と違ってパススピードとか求められてくるし、相手のプレスのスピードも速くて攻撃の部分では全然だったのでもっと追求して。守備の部分では通用する部分があったので、もっと成長できればと思うような合宿でした」

 得意とする守備もまだまだ伸ばさなければならないことを実感した。「寄せるスピードをもっと速くやらなきゃ大学生になってくると簡単に前を向かれるので、もっと自由にやらせないというのをやっていきたい」。より半歩、一歩にまでこだわって武器を極める。

 街クラブのFC川崎CHAMPジュニアユース(神奈川)から東北の強豪・尚志高(福島)へ進学した当時、年代別日本代表は遠い存在だったという。「高校1年の時は結構遠い存在で、高校2年で自分、Aチームでやらせてもらって段々とそこを目指せるように感じてきました」。全国大会で特長を発揮。U-17日本高校選抜選考合宿での活躍も評価されて、2年前は「遠い存在」だったチームに加わった。

 ライバルたちからの刺激も受けた。「FW貴田(遼河)君とかどんなボールでも収めてくれるし、守備もハードワークもしてくれるし、点も取ってくれますし、そこは自分も刺激を受けさせてもらったので良い選手です」。間近で見て、体感したことを尚志に持ち帰る。

「まずU-20のワールドカップを目標に、このU-18の候補選ばれて近い存在と思えてきたので、またここから成長できるように頑張りたいです」。U-18日本代表候補の城和憲監督は合宿終了時に「日常の基準を高くすること」について改めて求めていた。神田は日々の基準を高くし、成長を主戦場となるプレミアリーグなどで示す考え。そして、U-18日本代表に定着し、世界と戦うチャンスを掴む。

(取材・文 吉田太郎)

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