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U-20日本代表の守護神候補・GK春名竜聖、水戸で出場ゼロも…候補キャンプで見せた努力の証

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GK春名竜聖(水戸)

 クラブでの出場機会が少ないからこそ、試合に懸ける思いは人一倍だ。GK春名竜聖(水戸)はU-20日本代表候補トレーニングキャンプ2日目の練習試合で躍動。後半45分のプレーでスーパーセーブを連発した。「自チームで出られていない中で、代表に入り続けるということは非常に大事」と代表への思いを語った。

 5月のU-20ワールドカップに向け、U-20日本代表はメンバー選出に時間をかける。4月には2度のU-20日本代表候補トレーニングキャンプを実施。GKではU20アジアカップに出場したメンバーも招集され、春名も2度ともに名を連ねた。18日に行われた関東大学選抜との練習試合で、春名は後半45分をプレー。守勢に回ったチームを好セーブで何度も救い、無失点で出番を終えた。

「後半が始まる前からオープンな展開になる。僕の出番も増えると思っていた」。春名の予想通り、前半を3-0で折り返したU-20日本代表候補は、後半から関東大学選抜の猛攻を浴びる。だが、ことごとくゴールを守ったのは春名だ。相手の豪快なボレーを好反応の横っ飛びセーブで阻む。また相手との1対1の場面では、鋭い飛び出しで何度も相手のシュートを防いだ。

 セレッソ大阪U-18から水戸ホーリーホックに加入したルーキーは、いまだクラブでの出場試合数はゼロ。だが、苦境の時間で続けた努力が代表活動で実を結んだ。「試合にどうしても出られていないので、細かい練習をすることが多くて。1対1の詰め方とか、そういう考えの部分を練習通りに実践できた」。守備に関する一つひとつの所作を丁寧に見直した結果、無駄のないセーブを行うことができたようだ。

 自らの好プレーに「正直ひさしぶりにあんなに止めたのでちょっと嬉しい」と笑みをこぼしつつ、それでも自己評価は高くない。「満足はしていないです。チームで出られていない中で、今日しかアピールチャンスはない。ここに懸けてきた部分があるので、もっとやれたらよかったかなというのはありますけど、最低限はやれたかなと思います」。わずかな出場時間で、少しでもアピールしたい意欲をのぞかせた。

 U-20W杯メンバー入りを目指す一方、当然クラブでの定位置も狙っている。「プレーだけじゃなくて、チームに与える影響力とか人間性のところで、メンバーに入るかとか試合に出るかとか大きく関わってくる」。プロ初年度の日々を経て、難しさが少しずつ身に染みているようだ。「若い中でどれだけできるか試されている。そこはもう少しできたらなと思います」と冷静に分析してみせた。

(取材・文 石川祐介)
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